デンソー、2030年度売上高8兆円目標を発表 電動化・知能化事業で成長加速
デンソーは、2030年度までに連結売上高を8兆円に引き上げる野心的な中期経営計画を発表しました。この目標は、2025年度の見込み売上高から8%増加する数値であり、自動車産業の変革期における同社の積極的な戦略を反映しています。
電動化と知能化に重点投資 非自動車事業も拡大
計画では、売上高8兆円のうち、5割に当たる4兆円を自動車の電動化および知能化関連事業で稼ぐことを目指しています。具体的には、電動化事業を1.9兆円、運転支援などを含む知能化事業を2.1兆円まで拡大する方針です。設備投資と研究開発においても、これらの分野に重点を置き、車両性能を向上させるソフトウェアなどの開発を強化します。
さらに、自動車分野で培った技術を活用し、工場の自動化、農業、半導体など、自動車以外の事業領域の拡大を推進します。2040年度までに、全体の売上高に占める非自動車事業の割合を3割に高める方向性も打ち出しました。
ローム買収案に自信 林社長が相乗効果を強調
半導体大手のロームに対する買収提案について、林新之助社長は記者会見で「技術やものづくりの考え方に親和性があり、相乗効果が大きい」と述べ、内容に強い自信を示しました。ロームは、電気自動車(EV)などの性能向上に不可欠なパワー半導体に強みを持ち、データセンター用サーバーなど非車載分野への顧客基盤拡大を進めています。
デンソーの松井靖副社長は、財務基盤の強固さをアピールし、「戦略投資などに4兆円ぐらいの余力がある」と発言。ロームの全株式取得が実現すれば、1兆円を超える大型買収となる見込みです。
業界再編の動きと今後の展望
ロームは、3月27日に東芝や三菱電機との間でパワー半導体事業の統合に向けた協議に入ったことを発表しており、業界再編の動きが活発化しています。デンソーは、半導体事業において、従来の車載分野だけでなく、産業機器や民生機器への展開も加速させる方針を掲げており、ロームとの提携強化を通じて、競争力向上を図る考えです。
この中期経営計画は、2026年度から2030年度までの5年間を対象としており、自動車産業の電動化・知能化トレンドに対応しながら、持続的な成長を目指すデンソーの戦略が明確に示されました。今後の市場動向や買収交渉の進展が注目されます。



