三菱ケミカル、香川事業所のコークス・炭素材事業を2027年度で撤退へ
三菱ケミカル株式会社(本社:東京都)は、香川県坂出市番の州町に所在する香川事業所において、主力事業であるコークスおよび炭素材の生産を2027年度で停止し、事業から撤退することを正式に発表しました。この決定は、世界的な市場環境の変化に伴う構造改革の一環として位置付けられています。
撤退の背景と従業員への対応
同社によれば、製鉄用コークスは世界的に供給過剰の状態が続き、海外市況の低迷が長期化していることが主な要因です。また、炭素材についても需要が伸び悩んでおり、事業の継続が困難と判断されました。生産停止後は、関連する設備の撤去作業を順次進める方針です。
グループ会社を含めて同事業に携わっている従業員は約600人に上りますが、三菱ケミカルはこれらの従業員に対して、配置転換や再就職支援を実施することを明らかにしました。具体的な支援策については、今後詳細を詰めていく予定です。
香川事業所の歴史と今後の展望
香川事業所は1969年に操業を開始し、約160万平方メートルの広大な敷地を有しています。グループ会社を含めた総従業員数は約1100人で、コークス・炭素材事業の2025年3月期の売上高は1157億9000万円に達していました。
同事業所では、産業用ロボットや人工衛星に使用される炭素繊維、さらに電気自動車のバッテリー向け負極材の製造も手がけており、これらの成長が見込まれる事業については今後も継続していく方針です。三菱ケミカルは声明の中で、「50年以上の歴史を持つ事業からの撤退は、会社としても非常に残念な判断である」と述べつつも、「香川事業所では将来性のある事業を推進していくため、地域の皆様の理解と支援を賜りたい」と訴えています。
地元自治体の反応
坂出市の有福哲二市長はこの発表を受け、「従業員の雇用確保や事業撤退後の跡地活用などについて、前向きな対応を期待したい」とのコメントを発表しました。地元経済への影響を最小限に抑えるため、市としても協力を惜しまない姿勢を示しています。
今回の事業撤退は、グローバルな市場動向に合わせた企業の戦略的再編の一例として注目されます。三菱ケミカルは、変化する環境に対応しながら、持続可能な成長を目指す方針を明確にしました。



