ベルギー同時テロから10年、ブリュッセルで追悼行事が開催
ベルギーの首都ブリュッセルで発生した同時自爆テロから、22日で10年を迎えた。2016年3月22日、ブリュッセル空港と地下鉄駅で計32人が死亡したこの事件は、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出し、第二次世界大戦後におけるベルギー最悪のテロとして記憶されている。
国王夫妻や首相が参加、黙とうで犠牲者を追悼
テロ発生から10年目となる22日、現場となったブリュッセル空港や市内の慰霊碑前では、追悼行事が執り行われた。フィリップ国王夫妻とデウェーフェル首相が参加し、事件が発生した時刻に合わせて厳かな黙とうが捧げられた。空港の出発ロビーでは、犠牲者の遺族や生存者、市民らが集い、静寂の中に祈りを込めた。
追悼式では、空港でのテロに巻き込まれたベアトリス・ドラバレットさんが壇上に立ち、当時の様子を語った。「この床に血だらけで横たわりながら、『ここで死んでたまるか』と自分に言い聞かせていた」と述べ、涙ぐみながら体験を共有した。ドラバレットさんは両膝から下を失う重傷を負ったが、その後、リハビリを経て2021年の東京パラリンピックに馬術の米国代表として出場し、5位に入賞するという不屈の精神を見せている。
テロの概要と被害の規模
テロは2016年3月22日午前、ブリュッセル空港の出発ロビーで男2人が相次いで自爆したことに始まる。約1時間後には、市中心部の欧州連合(EU)本部に近い地下鉄駅の車両内で、別の男が自爆を実行した。これらの攻撃により、日本人2人を含む約340人が負傷し、社会に深い傷跡を残した。
事件後、ベルギー当局は治安対策を強化し、国際的なテロ対策協力に取り組んできた。10年を経た今も、犠牲者やその家族への支援が続けられており、追悼行事はこうした記憶を風化させないための重要な機会となっている。
ブリュッセルでは、慰霊碑が建立され、毎年追悼式が行われている。今回の10周年行事では、「平和と結束のメッセージ」が強調され、テロの悲劇を繰り返さないという決意が新たに示された。参加者らは、犠牲者の冥福を祈りながら、未来への希望を語り合った。



