県内3地銀の2026年3月期決算、全行黒字を確保
東邦銀行、福島銀行、大東銀行の県内3地方銀行の2026年3月期決算が15日、出そろった。日本銀行の政策金利引き上げに伴う利回り向上が追い風となり、連結ベースで3行ともに黒字を確保した。前期に12億円を超える赤字を計上した福島銀行は、次世代バンキングシステム導入の関連費用など営業経費が減少し、黒字転換を果たした。
3行の連結決算の主な内容は以下の通り。純利益は東邦が123億5300万円、福島が7億3600万円、大東が16億8000万円。金利上昇は銀行にとって利息収入のメリットが大きい一方、顧客の預金獲得競争の激化にも発展する。各行とも各種キャンペーンの展開や営業強化で預金流出を防ぐ考えだ。
金利上昇の影響と懸念
福島銀行の鈴木岳伯社長は「金利上昇は銀行にプラスの面も多いが、急激に上がれば中小企業が多い県内事業者の負担も大きくなる」との懸念を示した。中東情勢の緊迫化による先行きの不透明感から、業績予想にその影響を盛り込みづらい状況。県内企業は材料費の高騰や賃上げ、金利上昇による利息増加といった課題に対応してきたものの、不安感は広がる。
東邦銀行の佐藤稔頭取は現時点で大きな影響はないとした上で、「企業の生産性を上げるための融資に積極的に応じたい」と述べた。企業の設備投資は新型コロナ禍以降に活発な動きを見せていたが、最近では勢いに一服感もあり、今後事業性貸し出しに影響する可能性もある。計画を後ろ倒しにする先もあり、大東銀行の鈴木孝雄会長・社長は「建設業などから困惑の声も聞いている。中小企業は金利の影響を受けやすいため注視していく」との認識を示した。
東邦銀と大東銀の連携は進まず
東邦銀行が大東銀行の株式を追加取得し、昨年12月末に筆頭株主となってから5カ月が経過した。今後の連携について15日に開かれた決算会見では、東邦銀の佐藤頭取がコスト削減やデジタル化、事業承継など共通する課題解決を目指す考えを示した。一方で大東銀行の鈴木会長・社長は協業の話し合いについて否定した上で、「(発言で混乱が生じる可能性があり)それ以上は差し控えたい」と述べるにとどめた。
佐藤頭取は経営統合の可能性を否定し「地域金融安定のためで、地域経済の持続可能性を高めるため連携していく」と強調。ただ、大東銀に対話を申し込んでいるものの実現せず、具体的な対応は進んでいないとした。鈴木会長・社長には顧客から「銀行の選択肢を減らさないで」「他銀行の傘下に入るような財務状況ではない」といった声が届いており、応援のため預金を積む動きもあると指摘。他金融機関の統合の動きは注視しているとし、一般論として「互いに良い発展ができる、そういうことが描けるかどうか。そういうマッチングなら大いに(統合は)あるのではないか」と述べた。



