中東危機の影響が、ふるさと納税の返礼品にも及んでいる。千葉県大網白里市の米販売業「鍋屋商店」は4月初旬、ふるさと納税の仲介サイト「さとふる」に、銘柄や生産年を印字しない「ラベルレス米」を登録した。ナフサ不足の懸念から、米袋の供給に混乱が生じているためだ。
ラベルレス米の詳細
中身は従来品と同じ2025年産の千葉県産コシヒカリだが、包装は業務用の青みがかった無地のポリ袋。通常10キロで寄付額1万7千円のところ、「訳あり」として500円安くした。鍋屋商店によると、3月ごろから米袋の調達が難しくなり、ラベル用のインクも不足する可能性を考慮して、ラベルを省略する決断をしたという。
背景にあるナフサ不足
ナフサは石油精製で得られる製品で、プラスチックや合成繊維、インクなどの原料となる。中東情勢の緊迫化により、ナフサの供給が不安定になり、価格が高騰。米袋の素材であるポリプロピレンや、ラベル印刷に必要なインクの製造にも影響が出ている。このため、米袋そのものの供給が滞り、業者は代替手段を模索せざるを得なくなった。
消費者の反応
「ラベルレス米」は、見た目が簡素であることから「訳あり」として販売されたが、実際には品質は通常品と変わらない。鍋屋商店の担当者は「味に変わりはないので、これくらいでいいと評価する声もある」と話す。ふるさと納税の利用者からは、価格が安くなったことを歓迎する声が上がっている一方で、ラベルがないことで産地や品種がわかりにくくなるという指摘もある。
今後の見通し
ナフサ不足は、ふるさと納税以外の分野にも影響を広げている。塗装業や板金業ではシンナー不足が深刻化し、工事現場が完成間近で止まるケースも報告されている。また、トイレ紙や納豆、建材などの値上げも相次いでおり、中東情勢の長期化が日本経済に及ぼす影響は計り知れない。政府は関係省庁と連携して、ナフサの安定供給に向けた対策を検討しているが、抜本的な解決には至っていない。
鍋屋商店では、当面はラベルレス米の販売を続ける方針で、状況が改善すれば通常の包装に戻す予定だ。しかし、中東情勢がさらに悪化すれば、米袋以外の包装資材にも影響が広がる可能性があり、注意が必要だ。



