大阪府豊中市北部の中心部である千里中央駅周辺で官民が連携して進める再開発計画が、完了時期の不透明さを抱えている。社会情勢や消費者の行動変化が背景にあるとされ、計画の見直しを迫られている。
市南部は子育て世帯が増加
豊中市は大阪市のベッドタウンとして大阪府内4番目の人口約40万人を誇る。南部はかつて少子高齢化に悩まされたが、市のまちづくり施策が功を奏し、近年は子育て世帯が増えている。
市は2018年に「市南部地域活性化構想」を策定。子育て環境の充実、災害対策の強化をめざし、公共施設の集約、小中一貫校の新設、道路の拡幅工事などを進めた。23年には行政サービスや図書館などの機能を集めた複合施設「庄内コラボセンター(ショコラ)」と市内初の小中一貫校「庄内さくら学園」を同じ敷地内に開設した。
教職員による見守りや連携が9年間継続されることで、「一貫校ならではの安心感のある教育環境を提供できる」(市教育委員会)という。今年4月には新たな小中一貫校「庄内よつば学園」も開校した。
市の人口統計によると、5歳以下の人口を19年と24年で比較すると、ほかの地域が軒並み減少する中、南部だけが増加に転じた。担当者は「10年かけて子育て世帯に選んでもらえる地域になった」と手応えを話す。
千里中央の再開発の行方
一方、市北部では、国内初の大規模ニュータウンである千里ニュータウンを抱える。中心部である千里中央駅周辺で官民が連携した再開発が検討されているが、動きは鈍い。
駅周辺の再開発をめぐっては、土地の所有権を持つ企業や行政などが16年、老朽化する施設や都市機能の更新をめざし「千里中央地区活性化協議会」を設立した。24年には基本計画の改訂版が策定され「32年度の事業完成をめざす」との道筋が示された。
4月の市長選では、長内繁樹市長が「32年度の再開発完了に向け、官民一体でプロジェクトを進める」と公約に掲げ3選を果たした。駅東側では阪急阪神不動産が再開発を進めるが、計画の見直しを迫られている。