青森県が原子力発電所の使用済み核燃料新規搬入を正式に拒否
原子力発電所から発生する使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設(青森県むつ市)について、青森県の宮下宗一郎知事は3月31日、2026年度の新規搬入を認めないと正式に表明しました。この決定は、燃料の搬出先となる再処理工場(同県六ヶ所村)の認可審査が遅延していることが主な理由です。
東京電力の搬入計画に直接的な影響
施設を利用する東京電力ホールディングスは、2026年度に合計60トンの使用済み核燃料を搬入する計画を立てていました。宮下知事は記者会見で「使用済み燃料の行き先がないまま搬入されるということはあり得ない」と明確に述べ、搬入拒否の姿勢を強く示しました。
中間貯蔵施設は2024年11月に操業を開始し、現在までに計36トンの使用済み核燃料を保管しています。この施設で一時保管された燃料は、日本原燃が整備中の再処理工場に移送され、ウランやプルトニウムを抽出した後、新たな燃料に加工して原子力発電所で再利用される計画となっています。
再処理工場の完成遅れが決定の背景に
再処理工場は当初、2026年度中の完成を予定していましたが、原子力規制委員会による認可審査が予想以上に遅れており、完成時期が不透明な状況が続いています。宮下知事は「再処理工場の竣工は確実に遅れるとみている。なし崩し的に燃料だけが搬入される環境をつくるわけにはいかない」と述べ、審査遅れが搬入判断に直接影響していることを強調しました。
宮下知事は経済産業大臣との取り決めに基づき、毎年度、使用済み核燃料の新規搬入を容認するかどうかを判断する権限を持っています。今回の決定は、この権限に基づく正式な表明であり、青森県としての強い姿勢を示すものとなっています。
この決定により、東京電力の使用済み核燃料管理計画に大きな影響が出ることが予想されます。また、日本の原子力政策全体における使用済み核燃料処理の問題が、改めて浮き彫りになる形となりました。青森県は今後も、再処理工場の認可審査の進捗状況を注視しながら、搬入判断を継続していく方針です。



