中国電力の原発調査妨害禁止判決、山口地裁が住民団体に命令
山口県上関町で原子力発電所の建設を計画する中国電力が、同町の住民団体「上関原発を建てさせない祝島島民の会」を相手取り、予定地周辺での海上ボーリング調査を妨害しないよう求めた訴訟で、山口地裁岩国支部(小川暁裁判長)は5日、妨害行為の禁止を命じる判決を言い渡しました。団体側は控訴する方針を示しており、今後の展開が注目されます。
判決の背景と経緯
判決などによると、中国電力は2008年に同県から公有水面の埋め立て免許を取得しました。その後、ボーリング調査を試みたものの、団体側による妨害を受けたとして、2022年に提訴に至りました。今回の判決では、公有水面を埋め立てる権利に基づき、調査への妨害行為を排除する権利だけでなく、予防する権利も中国電力側にあると指摘しています。
さらに、2019年から2021年にかけて、団体代表者らが海域に船舶を停泊させるなどの行為を行ったことについて、「今後も妨害のおそれがある」と結論づけました。これにより、中国電力は法的な根拠を得て、調査を進めやすくなると見られています。
関係者の反応と今後の見通し
島民の会の木村力代表(78歳)は判決について、「勝手な解釈による判決であり、残念だ」と述べ、強い不満を表明しました。一方、中国電力は「安全、確実な調査の実施に向けて引き続き取り組んでいく」とのコメントを出し、判決を前向きに受け止める姿勢を示しています。
この訴訟は、原発建設をめぐる長年の対立を象徴する事例であり、地域住民の懸念と企業の事業計画の衝突が浮き彫りになりました。団体側が控訴すれば、高等裁判所での審理が行われる見込みで、判決の影響は広がりを見せそうです。
山口県上関町では、原発建設の是非を巡る議論が続いており、今回の判決が地域社会に与える影響も無視できません。今後も、法的な争いとともに、住民の声や環境への配慮が重要な課題として取り上げられるでしょう。



