小池都知事「核のごみ」南鳥島調査要請に注視表明 将来世代への先送りはできないと強調
小池知事「核のごみ」南鳥島調査に注視 先送りできないと強調

小池都知事「核のごみ」南鳥島調査要請に注視表明 将来世代への先送りはできないと強調

原子力発電所から発生する高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場選定をめぐり、経済産業省が東京都小笠原村に対し、村内の南鳥島で第1段階の文献調査を受け入れるよう申し入れた問題で、小池百合子東京都知事は3月4日、記者団の取材に対し「村の判断を注視したい」と述べた。小池知事はこの課題を「将来世代への先送りができない喫緊の課題」と位置づけ、原子力行政は国が主導すべき分野であると強調した。

小笠原村の判断プロセスを尊重

小池知事は記者団とのやりとりで、渋谷正昭小笠原村長が文献調査の受け入れ是非について、村民や村議会への説明と意見聴取を経て判断するとの姿勢を示していることを踏まえ、「都としてその判断を注視していきたいと考えております」と述べた。経済産業省は1月に原子力行政に関する協力要請を各都道府県に出しており、2月9日には小笠原村に対し、最終処分の必要性や処分地選定調査に関する説明の打診があったという。

小池知事は「これから小笠原村の皆様への説明、また議会への説明などを経て、判断されることだと考えております」と語り、地元自治体の意思決定プロセスを尊重する姿勢を示した。また、記者から都として地元の意向を尊重する方針かと問われると、「地元の判断がこの後どうなるのか、注視しております」と繰り返し述べた。

原子力行政は国の責任、日本全体で考える必要性

小池知事は最終処分場の問題について、「将来世代への先送りができない喫緊の課題」であると指摘。その上で、「そもそもこの原子力行政は国が当たるべきものでもございます。一方で日本全体で考えていく必要があると、これについての対応が今、求められているんだろうと思っています」と述べた。

この発言は、最終処分場の選定が単に地元自治体の問題ではなく、国全体のエネルギー政策や将来の世代に対する責任として捉えるべきであるとの認識を示している。小池知事は、国からの説明を村民がしっかりと聞き、判断することが重要だと語り、イメージの問題ではなく、実質的な議論の必要性を訴えた。

南鳥島をめぐる背景と専門家の見解

南鳥島は小笠原諸島に属する太平洋上の孤島で、一般住民が居住していないことが特徴だ。専門家の中には、最終処分場の候補地として「ここ以上の場所はない」と評価する意見もあるが、地元では島しょ振興の観点から懸念の声も上がっている。

小池知事はこの点について、「イメージの問題ではないかと思いますが、これからの国からの説明、これをしっかり聞かれて村民が判断されることだと思っています」と述べ、客観的な情報に基づく判断の重要性を強調した。都としても島しょ振興に力を入れている中で、今回の調査要請が地域のイメージや発展に与える影響については、今後の議論を注視する姿勢だ。

最終処分場の選定は、原子力政策の重要な課題として長年議論されてきた。小池知事の今回の発言は、地元の判断を尊重しつつも、国全体としての責任ある対応を求める立場を明確にしたものと言える。今後の小笠原村の対応と、国からの説明内容が注目される。