伊方原発3号機の運転差し止め請求を棄却、山口地裁岩国支部が安全性認める
伊方原発3号機の運転差し止め請求を棄却、山口地裁が安全性認める

伊方原発3号機の運転差し止め請求を棄却、山口地裁岩国支部が安全性を認める判決

四国電力伊方原子力発電所3号機(愛媛県伊方町)の安全対策が不十分として、山口県の住民ら約160人が原発の運転差し止めを求めた訴訟で、山口地裁岩国支部は26日、請求を棄却する判決を言い渡しました。小川暁裁判長は判決文で「原子炉が安全性を欠いているとは認められない」と明確に述べ、原告側の主張を退けました。これは2011年3月の東京電力福島第一原発事故後、伊方原発3号機を巡る集団訴訟で4件目の判決となり、いずれも棄却という結果が続いています。

地震と火山リスクの評価を巡る争点

今回の訴訟は、原告側が2017年12月に提訴したもので、主な争点は地震や火山噴火のリスクに対する評価の適切性でした。地震に関して、原告側は、四国電力が想定する国内最大級の活断層「中央構造線断層帯」とは別に、敷地近くに活断層が存在する可能性を指摘しました。しかし、小川裁判長は判決で、四国電力が実施した調査方法は詳細かつ明瞭であり、敷地近くに活断層がないとする同社の評価は不合理とはいえないと判断しました。

火山リスクについては、原告側が原発から約130キロ離れた阿蘇山(熊本県)で約9万年前に起きた破局的噴火を想定すべきだと主張しましたが、判決は阿蘇山の活動歴を踏まえ、「巨大噴火が差し迫った状態ではないとする評価は不合理ではない」と結論づけました。さらに、原発から30キロ圏内の自治体で策定が義務づけられている避難計画も争点となりましたが、判決は「原子炉が安全性を欠いているといえない以上、原告らの居住する地域で避難計画を欠くことのみをもって差し止めを認めることはできない」として、この点でも原告の主張を退けました。

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過去の訴訟と今後の展開

伊方原発3号機の運転差し止めを求める集団訴訟を巡っては、これまでに大分、広島、松山の各地裁でも同様に請求を棄却する判決が下されており、原告側はいずれも控訴を進めています。今回の判決を受け、四国電力は「原発の安全性は確保されているとの主張が認められたものと考えている」とのコメントを発表し、判決を歓迎する姿勢を示しました。

伊方原子力発電所3号機は、出力89万キロ・ワットの加圧水型軽水炉で、1994年12月に運転を開始しました。2010年には軽水炉でウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使う国内2例目となる「プルサーマル発電」を始めています。現在、1号機は2016年、2号機は2018年に運転を終了し、廃炉作業が進められている一方で、3号機のみが稼働を続けています。この判決は、原子力発電の安全性を巡る社会的な議論に新たな一石を投じるものとなりそうです。

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