浜岡原発のデータ不正問題で重大な記録不備が判明
原子力規制委員会は2026年2月25日、中部電力浜岡原子力発電所(静岡県)で発覚した審査データ不正問題に関する本店(名古屋市)への立ち入り検査結果を正式に公表しました。検査の結果、想定される最大の地震の揺れを示す「基準地震動」の策定に関わる業務計画が社内に存在せず、その経緯を追跡することが不可能な状況であることが明らかになりました。
規制委による徹底的な調査とその内容
不正発覚を受けて、原子力規制委員会は2026年1月と2月の2回にわたり、中部電力本店に対して立ち入り検査を実施しました。調査では基準地震動をまとめる業務の過程について社員らから詳細な事情聴取を行いました。しかし、個別の業務計画は見当たらず、記録から策定過程をたどることはできなかったと報告されています。
さらに、基準地震動については、耐震設計で通常行われるような社内での検証や妥当性確認の対象とされていませんでした。委託先の業者に対して地震波の選定に関する指示をしていた記録や、社内の専門家によるチェックの記録は確認できたものの、指示の具体的な内容の記載や不正な行為に関する指摘は見当たらなかったとされています。
定例会での議論と今後の対応
2月25日に開催された原子力規制委員会の定例会では、委員からこの問題について厳しい指摘が相次ぎました。データの透明性と信頼性が原子力安全の根幹を成すものであることから、記録管理の不備は重大な問題として認識されています。規制委員会は今後、中部電力に対して更なる説明と改善策の提示を求める方針です。
この問題は、原子力施設の安全審査におけるデータの信頼性を根本から揺るがす可能性があり、規制当局と電力会社の間で厳格な監視体制の構築が急務となっています。基準地震動の適切な策定は、原発の耐震安全性を確保する上で不可欠な要素であり、その過程が不明確であることは大きな懸念材料です。
原子力規制委員会の山中伸介委員長は、記者会見で「記録の不備は到底容認できない。徹底した調査と再発防止策の確立を求めていく」と強い口調で述べ、今後の対応に言及しました。中部電力側は、調査結果を真摯に受け止め、再発防止に全力を挙げるとのコメントを発表しています。



