金融庁と金融機関などで構成する官民会議は、米新興企業アンソロピックの最新人工知能(AI)「クロード・ミュトス」を悪用した金融機関へのサイバー攻撃リスクに備え、必要に応じて金融システムを停止する対策も選択肢に含めていることが、5月19日までに明らかになりました。この措置は、金融機関の自主的な判断で実行されることを想定しています。
官民会議の初会合で提示された短期対応案
5月14日に開催された官民会議の初会合では、短期的な対応案の一つとして、金融システムの停止が示されました。会議は5月末までに当面の対応を取りまとめる方針で、金融システム停止といった具体的な措置が最終案に盛り込まれる可能性があります。
参加機関と議論の内容
会合には、政府や日本銀行、三菱UFJ銀行など3メガバンクをはじめとする金融機関のほか、アンソロピックや米オープンAIといったAI企業、金融業界団体が参加しました。参加者は、情報把握やセキュリティー強化の方向性、検討すべき課題について非公開で議論を開始しています。
「クロード・ミュトス」の脅威
アンソロピックが開発した「クロード・ミュトス」は、ウェブブラウザーなどの弱点を見つけ出す能力が飛躍的に向上したとされています。このAIを悪用したサイバー攻撃が金融機関に及ぼせば、企業間の送金が滞るなど、広範な影響が懸念されています。
官民会議は、こうした新たな脅威に対応するため、金融システムの安定性を維持するための多角的な対策を検討しています。金融システムの停止は極めて異例の措置ですが、サイバー攻撃の深刻度によっては、被害拡大を防ぐための最終手段として位置づけられています。



