高市首相、福島第一原発廃炉の2051年完了目標を堅持 帰還困難区域の全面解除も強調
高市首相、福島第一原発廃炉の2051年完了目標を堅持

高市首相、福島第一原発廃炉の2051年完了目標を堅持 帰還困難区域の全面解除も強調

高市早苗首相は6日、福島民友新聞社の丹野孝典編集局長ら東日本大震災の被災3県の地元紙4紙による合同インタビューに応じ、東京電力福島第一原発の廃炉について「2051年までの廃止措置を完了させるべく、最後まで責任を持って取り組む」と述べ、政府と東電が掲げる完了目標を堅持する考えを明確に示しました。

廃炉進捗と今後の課題

首相は、溶け落ちた核燃料(デブリ)の本格的な取り出し時期が後ろ倒しになるなど、廃炉完了目標を危ぶむ声があることについて、「前例がなく技術的にも極めて難易度の高い取り組みで、今後も困難に直面するだろう」と認めつつも、2回にわたるデブリの試験的取り出しの成功や、1号機での大型カバー設置工事完了による放射性物質飛散リスクの低減を挙げ、「15年間で廃炉の取り組みは一歩ずつ前進している」と強調しました。

さらに、「安全確保を最優先に取り組むよう東電を指導するとともに、国も前面に立って最後まで責任を持つ」と述べ、政府の積極的な関与を約束しました。

復興庁の役割と今後の対応

復興庁が2030年度末に設置期限を迎えることについては、「まずは第3期復興・創生期間の5年間でさまざまな課題を何としても解決していくという強い決意で臨む」と述べ、新たに設置される防災庁との連携も視野に入れつつ、復興庁の役割を継続させる方針を示しました。

「福島県の復興に向けた取り組みや、復興庁が今果たしている役割はいささかも損なわれることのないようしっかりと対応していく」と語り、復興の進捗に応じた適切な判断を約束しました。

経済復興と産業創出への取り組み

「強い経済」の実現に向けては、福島イノベーション・コースト構想を柱に、ロボット・ドローン、航空宇宙などの重点分野で産業集積を進める方針を強調しました。

これまでに企業立地支援などを通じて約130件の新技術を事業化し、約5千人の雇用を創出した実績を挙げ、「持続的な『地域の稼ぎ』の創出に向け、強い経済をさらに実感してもらえるよう取り組む」と意欲を示しました。

帰還困難区域の避難指示解除

帰還困難区域全域での避難指示解除については、「まずは帰還意向のある住民が一日も早く帰れるよう避難指示解除を進める」と述べ、早期解除を優先する姿勢を明確にしました。

一方で、帰還意向のない住民の土地や家屋の扱いについては「大きな課題で解決に道筋をつけていく」とし、地元との協議を重ねながら将来的な全面解除に責任を持って取り組む考えを示しました。

原子力政策への教訓の反映

原子力政策においては、「第1原発事故の経験と反省、教訓はエネルギー政策の原点だ」と述べ、事故の教訓を重視する姿勢を強調しました。

原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めない限り再稼働を認めないとした上で、「原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用する」と述べ、エネルギー安全保障と脱炭素化の両立を図る方針を示しました。

また、人工知能(AI)の活用増加やデータセンター立地の進展に伴い、電力需要の大幅な増加が見込まれることにも言及し、エネルギー政策の重要性を改めて訴えました。