認知症などで判断能力が不十分になった場合に備える方法の一つとして、「任意後見」という仕組みがある。判断能力が低下した後に自分の代わりにやってもらいたいことを、自分が選んだ人との間で事前に契約しておくものだ。
成年後見制度の二つの柱
成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」がある。法定後見は、すでに本人の判断能力が不十分な場合に利用する制度で、支援に当たる後見人などを誰にするかは家庭裁判所が決める。後見人などに立候補した人が必ず選任されるとは限らない。
一方、任意後見は、本人に判断能力が十分ある段階で「自分の判断能力が下がったら、この人に支援してもらいたい」という人、つまり任意後見人になる人を本人が選んでおける制度だ。
認知症月間と法改正の動き
9月は認知症月間だ。認知症についての関心と理解を深める月として、2024年に施行された認知症基本法で定められている。認知症とともに、その人らしく暮らせる社会とは何かを考える期間とされる。
成年後見制度全般を見直した6月の法改正の概要についても併せて伝える。今後、成年後見制度の運用について、有識者や専門職、利用者側の関係者や法務省、厚労省、最高裁判所、地方自治体の職員らが話し合う会議が開かれており、この日は任意後見がテーマとなった。
なお、任意後見の利用はあまり進んでいないのが現状だ。