茨城県常陸大宮市の鈴木定幸市長は30日、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場用地を選ぶための国の文献調査を受け入れると表明した。調査はこれまで4自治体で実施されているが、本州では初めてとなる。
市長、会見で「熟慮を重ねた結果」
市役所での記者会見で鈴木市長は「熟慮を重ねた結果、受け入れることを判断した」と述べた。29日には経済産業省を訪れ、赤沢亮正経済産業相と面会し、面会後に「(懸念は)ほぼ解消されている」と述べていた。
文献調査の内容と経緯
文献調査は、経産省が8月31日に申し入れていた。市は9月議会中の判断を目指していたが、市議会で慎重な意見などがあったことを踏まえ、判断を先送りし、「調査開始が処分場の立地に直結しないこと」など3点について国の姿勢を確認するとしていた。
文献調査は処分場の選定手続きの第1段階で、約2年かけて候補地の活断層の記録などを調べる。受け入れた自治体には、最大20億円の交付金が支給される。その後、選定までには候補地を掘削する概要調査(約4年)や、地下に施設をつくる精密調査(約14年)も行われるが、概要調査に進んだ自治体はまだない。
国の原発政策と常陸大宮市の位置づけ
国は安定したエネルギー供給を確保するため原発の活用を掲げている。東京電力福島第一原発の事故後も再稼働を進め、核のごみは増え続けているが、最終処分場の建設にめどが立たない状況が続く。文献調査はこれまで、北海道の寿都町と神恵内村、佐賀県玄海町、東京都小笠原村で実施されている。
常陸大宮市は国が示した「科学的特性マップ」で「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域」とされ、特に南東部は「輸送面でも好ましい」とされていた。