火山の噴火は、どれだけ大規模なものがあり得るのだろうか。巨大噴火に詳しい日本大学自然科学研究所の高橋正樹上席研究員(75)によると、有史時代に日本が経験した噴火では、915年の十和田噴火が大きく、マグマ噴出物の体積が計3立方キロ程度あった。1立方キロ前後だった富士山宝永噴火や貞観噴火(864年)よりも大きい。
巨大噴火の規模と前兆現象の難しさ
火山灰噴出量が数十立方キロになると巨大噴火で、1万5千年前の十和田八戸噴火が70立方キロ。100立方キロ以上が超巨大噴火で、7300年前の九州南方の鬼界カルデラの噴火は180立方キロだった。さらに規模が大きく、1千立方キロを超えるものがスーパー噴火と呼ばれ、日本では3万年前の鹿児島湾北部の姶良(あいら)カルデラの噴火が相当する。
高橋さんは「こうした噴火は再来すると考えられている。人間が観測技術を持ってから経験していないので、どんな前兆現象があるのかは分からない。異常を観測しても、噴火の規模がどこまで大きくなるかは分からない」と話す。
超巨大噴火のメカニズムと注意すべき火山
超巨大噴火を起こすマグマだまりは、数百年から数千年かけて形成されるという説と、数十年という短期間という説がある。巨大カルデラ火山であるアメリカのイエローストンやロングバレーではしばしば、広域的な隆起や群発地震が観測されているが、噴火には至っておらず、前兆現象として使えるかは分からない。
科学的な条件から、日本であえて巨大噴火の可能性がありそうな火山を考えると、屈斜路カルデラ、鹿児島湾の阿多(あた)カルデラ、洞爺カルデラが要注意で、九州の霧島火山群のある加久藤(かくとう)カルデラも否定しきれないという。「日本でカルデラ火山のある地域では、地下にマグマのような流体が存在するかの探査を強化するべきだ」と高橋さんは話す。
ガス抜きによる噴火制御の夢の構想
近世に経験してきたような噴火とは異なる巨大噴火への備えとして、マグマのガスを抜いて噴火を制御するという夢の構想も存在する。しかし、その実現には多くの課題が残されている。



