共同親権制度が施行、離婚後の子どもの養育環境の多様化を促進
共同親権制度施行、離婚後の子どもの養育環境を多様化

共同親権制度がスタート、離婚後の子どもの養育に新たな選択肢

親の権利を主張するよりも、子どもを育てる責任をどう果たすかを最優先に考える時代が到来した。今月施行された改正民法により、離婚後の親権を父母の一方に限定せず、双方が養育に携わる共同親権も選べるようになった。これは、家族の在り方が多様化する現代社会において、子どもの成長に両親がより深く関与できる環境を整えることを目的としている。

従来の制度の課題と新制度の利点

これまでの単独親権制度では、子どもと親権のない親との面会が十分に保障されないことや、子どもと親権者の関係が良好でない場合に、もう一方の親が子どもを支援するのが難しいといった課題が指摘されていた。共同親権を選択した場合、転居や進学、財産管理など子どもの将来に関わる重要な事柄については、父母が合意して決定することになる。意見が対立した際には、家庭裁判所がどちらが決定権を持つかを指定する仕組みだ。

離婚後も両親が養育に関わることで、子どもが双方から支援や愛情を受けられるようになるのは大きな利点である。新たな選択肢が、子どもの経済的、心理的な支えにつながることを期待したい。しかし、意見がまとまらなければ、必要な判断が速やかに行えないなど、子どもに不利益が生じる恐れもある。誰が親権を担うかを決める際には、子どもの健全な成長にどのような環境が望ましいのかを慎重に考えることが不可欠だ。

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DVや虐待懸念への対応と制度の課題

親権を単独とするか共同とするかについて双方の考えが異なる場合や、裁判による離婚の場合は家庭裁判所が判断する。夫婦間のドメスティックバイオレンス(DV)や子どもへの虐待が懸念される場合には、必ず単独親権とすることが定められている。ただし、DVは証拠が残りにくく、家庭裁判所が適正に判断できるかを懸念する声が上がっている。

日本弁護士連合会は、家庭裁判所が申し立てなどを適正、迅速に判断するには、専門知識を持った調査官などが不足しているとして、体制強化を求めている。最高裁判所は調査官の増強を図るとしているが、2025年度の増員は全国でわずか5人にとどまり、体制が強化される家庭裁判所は限られている。子どもの利益を守るための判断を担う家庭裁判所の役割は極めて大きい。申し立ての動向を注視しながら、さらなる増員を含め、体制の充実を図ることが強く求められる。

法定養育費の創設と今後の展望

また、子ども1人につき暫定的に月2万円を請求できる「法定養育費」も新たに創設された。これは、養育費について早期に取り決めるよう両親に促す狙いがある。離婚時には父母間の対立が強まっており、養育費について冷静に話し合うのが難しいとの指摘があるためだ。国は、養育費の話し合いや取り決めの履行を促進する仕組みについても、さらなる検討を進めるべきだろう。

この制度改正は、子どもの最善の利益を中心に据え、離婚後の家族関係を再構築する重要な一歩となる。しかし、実効性を高めるためには、家庭裁判所の体制強化や養育費の履行支援など、課題への継続的な取り組みが不可欠である。

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