落語家の桂福丸(かつら・ふくまる、本名・鈴木福治=すずき・ふくじ)さんが老衰のため死去した。92歳だった。葬儀は近親者で営まれた。後日、お別れの会を開く予定。
人情噺で親しまれた生涯
桂福丸さんは1932年、東京都生まれ。1950年に5代目桂小文治に入門し、1955年に真打昇進。古典落語を中心に、人情噺を得意とし、軽妙な語り口で幅広い世代から人気を集めた。
特に『芝浜』『文七元結』などの演目は十八番として知られ、人情の機微を巧みに描く話術は多くのファンを魅了した。テレビやラジオにも数多く出演し、落語の普及に貢献した。
後進の育成にも尽力
福丸さんは、弟子の育成にも熱心で、多くの落語家を世に送り出した。また、各地の寄席や落語会に積極的に出演し、古典落語の魅力を伝え続けた。
2010年には、長年の功績が認められ、文化庁長官表彰を受賞。2015年には、旭日小綬章を受章した。
関係者によると、福丸さんは最晩年まで落語への情熱を持ち続け、自宅で後進の指導にあたっていたという。その死は、落語界にとって大きな損失である。



