栃木県足利市民活動センター長を務め、半世紀以上にわたりボランティア活動の最前線で尽力してきた鈴木光尚(みつなお)さんが7日、病気のため78歳で死去した。鈴木さんは学生時代に来日中のマザー・テレサから直接「愛の反対は無関心」という言葉を聞き、それを座右の銘として地域や被災地支援に奔走した。
東日本大震災での迅速な対応
2011年3月11日、東日本大震災発生直後、鈴木さんは揺れが収まるとすぐに宮城県南三陸町の知人に電話し、「何が必要か、自分たちに何ができるか」を確認。その日のうちに復興支援団体「『がんばろう東北!』応援プロジェクト足利風(ふう)」を立ち上げた。集まった約200人のボランティアを、若者は現地活動に、高齢者や女性は後方支援に振り分け、毛布や衣類、暖房器具を車に積み込んで行政の支援が届きにくい場所へ先回りした。
被災地への往復150回以上
東北との往来は150回を超え、阪神大震災や熊本地震などの大規模災害でも現地を訪れた。避難所で不足する胃薬や風邪薬を市民から集めて届けたこともあり、「あとで保健所から大目玉を食らった」と笑い話にしていたという。
地域に根差した活動
センター長として、鈴木さんは地域密着型の活動にも力を注いだ。市民活動やボランティアの担い手育成を通じて市民文化の発展に寄与し、相談に訪れる若者や市民に分け隔てなく接した。「まず動いてみようよ」と背中を押し、文化、芸術、福祉など多岐にわたる市民活動を支援。人々が自発的につながり、支え合う地域社会の基盤づくりに努めた。
震災企画展「風化させないために」
センターでは毎年3月、東日本大震災企画展「風化させないために」を開催。被災地の新聞記事や写真を並べ、東北の現状を伝え続けた。鈴木さんは「被災地を見守り、気持ちだけでも寄り添い続ける。それだけでも意味がある」と繰り返し語っていた。
人と人をつなぐ存在
25年来の交流があった自営業の海老沼待栄さん(58)は「人と人をつないだ人脈と力強い行動力。多くの市民の記憶に刻まれた」と惜しんだ。葬儀・告別式は14日午後2時から足利市斎場(新山町)で行われ、喪主は兄の峻さんが務める。



