離婚後共同親権で「同一世帯」扱い 名古屋市の就学援助所得審査に専門家懸念
離婚後共同親権で「同一世帯」扱い 名古屋市就学援助審査

離婚後共同親権で就学援助審査に新たな方針 名古屋市が保護者に文書配布

名古屋市は、2026年4月に開始された離婚後共同親権制度を踏まえ、低所得の子育て世帯を対象とする「就学援助」の所得審査において、共同親権の場合は離婚していても父母の所得を合算して支給の可否を判断する方針を明らかにしました。この方針を記した文書を市内の小中学校の入学式や始業式で保護者に配布し、制度の運用を開始しています。

共同親権なら「同一世帯」とみなす新たな基準

就学援助は、経済的に困難な状況にある小中学生の保護者に対して、市町村が学用品費や給食費、修学旅行費などを支援する制度です。名古屋市では、市が定めた所得基準を下回る世帯を対象としており、従来は世帯単位で審査を行ってきました。

市教育委員会は、離婚後も父親と母親の双方が親権を持ち続ける共同親権制度の導入を受けて、世帯の所得審査における扱いについて検討を重ねました。その結果、共同親権の場合には、離婚後に別居している場合であっても、父母を「同一世帯」とみなすことを決定。所得を合算して就学援助の支給可否を判断する方針を固めました。

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この方針について、名古屋市はホームページや保護者向けの資料において、「共同親権などにより、同じ家には住んでいないが、親権者である方も同一世帯に含みます」と明確に記載しています。ただし、所得基準がより厳格な生活保護世帯や、低所得のひとり親を対象とする児童扶養手当の支給世帯については、共同親権であっても引き続き就学援助の対象となることが示されています。

専門家からは「時代に逆行する運用」との批判も

この名古屋市の新たな運用方針に対しては、専門家の間から早くも懸念の声が上がっています。特に、「本来支給されるべき世帯に支援が行き届かなくなる恐れがある」との指摘がなされており、共同親権制度の導入が低所得世帯の教育支援に逆効果をもたらす可能性が指摘されています。

一部の専門家は、この方針を「時代に逆行する運用」と批判。離婚後共同親権制度は、子どもの福祉を最優先に考え、父母双方が子育てに関与できる環境を整えることを目的としていますが、所得審査において父母の所得を合算することにより、実際には別居して生活している世帯が就学援助の対象から外れてしまうケースが生じるリスクがあると警告しています。

この問題は、子どもの福祉や社会保障、ジェンダー問題など、多角的な視点から検討が必要な課題として浮上しています。名古屋市の今後の対応や、他の自治体における同様の制度運用の動向が注目される状況です。

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