上方漫才の重鎮が半世紀の節目 オール阪神・巨人が結成50周年
上方演芸界を長年にわたり牽引してきたベテラン漫才コンビ、オール阪神・巨人が、結成から50周年という輝かしい節目を迎えました。昨年7月からは記念全国ツアーを展開し、東京や宮崎など各地で公演を実施。その集大成として、3月15日に大阪・なんばグランド花月(NGK)でツアー最終公演を開催します。オール巨人さんは「舞台での漫才は、ずっと続けていきたい」と語り、芸への情熱をにじませています。
アマチュア時代から築いた唯一無二のスタイル
オール阪神さん(68歳)とオール巨人さん(74歳)は、ともにアマチュア時代からものまねや漫談で活躍。吉本新喜劇のスター、岡八朗さんの弟子を経て、1975年にコンビを結成しました。テンポの速いしゃべくり漫才が最大の特徴で、巨人さんは「たくさんのネタを詰め込むことで、たくさんの笑いを生み出せる。自然とテンポが速くなったんです」と説明します。一方、阪神さんは「親から受け継いだ声と滑舌があってこそできる芸。感謝の気持ちでいっぱいです」と、持ち前の才能への感謝を口にします。
大阪に根差した道を選択 上方漫才大賞4回の実力
1980年代の漫才ブームでは、西川のりお・上方よしおやザ・ぼんちらなどが東京進出を果たす中、2人はあえて大阪に留まる道を選びました。「お互いに東京がそれほど好きではなかったから」と冗談交じりに語りますが、結果的に他のコンビの代役として大阪の舞台に立つ機会が増加。阪神さんは「それが漫才の良い練習になった」と振り返ります。その実力は折り紙付きで、上方漫才大賞を歴代最多の4回受賞。2019年には紫綬褒章も授与され、人気と実力を兼ね備えた存在として確固たる地位を築いています。
健康不安を乗り越え 舞台への情熱は衰えず
しかし、順風満帆なばかりではありません。阪神さんは持病のメニエール病によるめまいに悩まされ、巨人さんも昨年頸椎の手術を受けるなど、体調面での課題を抱えています。「今から売れようとする若手のやる気には負けるなあ」と苦笑いする2人。楽屋では通院や民間療法の話題が尽きないといいます。巨人さんは「ベテランになると病気の話ばかりですわ」とおどけながらも、疲労回復効果があるというリカバリーウェアについて「家に4着あります。寝心地が良くて、これは本当に良い」と笑顔を見せます。
テレビより劇場を重視 50年経ても変わらぬ向上心
2人はテレビ出演よりも、劇場での舞台を重視しています。巨人さんは「若手や中堅には負けないように、50年やってきた漫才師がこのネタで良いのか、若いお客さんにこれまでのネタが理解してもらえるか、常に考えています」と真剣な表情で語ります。阪神さんも「新ネタをやる時は1週間劇場で練習しますし、足りない時は別の場所でも練習を重ねます。50年経ってもまだこういうことをしているのは、漫才師の性分ですね」と、芸への執着心を明かします。
衝突を超えた絆 目指せ55周年!
過去には衝突することもあった2人ですが、現在は「漫才ができて、関係も悪くない」と良好なコンビ関係を築いています。巨人さんが「50周年が最後になると思う。55周年や60周年は無理やから」と今後について語り始めると、阪神さんは「相方は40歳ぐらいから、ずっと辞めると言い続けているだけ。目指せ55周年!」と宣言し、笑みを浮かべました。取材後、NGKの本公演に登場した2人は、流れるようなかけ合い漫才で爆笑を巻き起こし、体調の不安など微塵も感じさせないパワフルで唯一無二の舞台を披露しました。
50周年記念のNGK公演は午後7時30分開演。問い合わせは電話番号0570・550・100まで。
