春のパリにファッションの華やぎが戻る
2026年秋冬シーズンのパリ・ファッションウィーク(PFW)が、3月3日にサンローランのショーを皮切りに本格的に幕を開けた。世界的な人気を誇るBLACKPINKのロゼさんが来場するなど、会場には春の訪れを感じさせる華やかな雰囲気が漂った。前日にはイスラエルと米国によるイラン攻撃の影響で航空便に乱れが生じ、関係者の到着が遅れる事態も発生していた。各会場のスタッフたちの間には緊張感が走っていたが、2日目となるこの日には、いつもの活気あるパリ・ファッションウィークの空気が徐々に回復してきた。
マメ・クロゴウチの自然を意識したコレクション
編集委員の後藤洋平が最初に訪れたのは、日本発のブランドであるマメ・クロゴウチのショーだった。同ブランドは前シーズンに続き、古いガラスを着想源とした透け感のある素材のレイヤードを中心に展開。デザイナーの黒河内真衣子は、長野県の八ケ岳山中にあるアトリエと東京の自宅を往復する生活の中で、自然の持つ力強さを強く意識するようになったと語る。コレクション全体を通して、深みのあるグリーンが印象的な色づかいが特徴的だった。
さらに、日本の革製品ブランドである土屋鞄製造所との協業によるバッグも新たに登場。会場内では、制作過程を詳細に展示するコーナーも設けられ、来場者たちの関心を集めていた。ショー終了後には、黒河内デザイナーが丁寧に取材に応じる姿が見られた。彼女は「前回のコレクションが私の子供時代の記憶に焦点を当てたものだとすれば、今回は現在の私自身の記憶に近い感覚で制作しました」と語り、自身の成長と創作の変化を明かした。
国際情勢の影とファッションの力
パリ・ファッションウィークの開催中、世界では緊張した国際情勢が続いていた。イランをめぐる攻撃の影響は、ファッション業界にも少なからず波及していた。しかし、ロゼや韓国人気俳優のアン・ヒョソプなど、国際的なスターたちの来場は、そんな重苦しい空気を一掃するかのような明るさをもたらした。彼らの存在は、ファッションが持つ文化としての力を改めて感じさせる瞬間となった。
後藤編集委員は、こうした状況下でもデザイナーたちが作品を通してメッセージを発信し続ける姿勢に注目している。マメ・クロゴウチのショーでは、自然と人間の関わりをテーマにした繊細なデザインが披露され、多くの来場者から称賛の声が上がっていた。パリの街に春の気配が漂い始める中、ファッションウィークはその本来の輝きを取り戻しつつあるようだ。



