ゆずが東日本大震災の記憶を歌に込めた「幾重」、被災地の今を伝える
人気音楽デュオ「ゆず」が、NHK東日本大震災15年震災伝承ソングとして「幾重」を制作しました。北川悠仁さんと岩沢厚治さんの二人は、福島県の浪江町や双葉町など東北の被災地を実際に訪れ、現地の声に耳を傾けながらこの楽曲を作り上げました。
被災地の声を紡いだ制作過程
昨年の秋にNHK仙台放送局からのオファーを受けて制作が始まりました。二人は浪江町や双葉町の出身者たちから直接、震災当時の体験や故郷への深い思いを聞き取り、それらを丁寧に歌詞に織り込んでいきました。この過程で、被災地の現在の姿と人々の心情を感じ取ることができたと語っています。
音楽との向き合い方を見直したきっかけ
東日本大震災を機に、音楽との向き合い方そのものを見直したというゆずの二人。岩沢厚治さんは「東北で私たちのことを待っていてくれる人々がいたことが、大きな励みとなりました」と振り返ります。一方、北川悠仁さんは「この曲を聴いた人たちが、単に『東北の話』や『遠い震災の話』として受け止めるのではなく、どうすれば自分自身の経験と重ねて考えてもらえるか」を常に意識して制作に臨んだと明かしました。
記憶の継承を願うプロデューサーの思い
NHK仙台放送局の阿部公信チーフ・プロデューサー(いわき市出身)は、次のように語りました。「世代が変わっていく中で、震災の記憶を継承することは難しくなっています。しかし、ゆずの楽曲が持つ力によって、これらの記憶や教訓を次世代へ、そして未来へと確実につなげていきたいと考えています」。この言葉には、震災の教訓を風化させないという強い決意が込められています。
放送と視聴情報
ゆずが出演し、「幾重」を歌唱する特別番組が3月13日午後7時30分から、NHK総合テレビ(東北地方向け)で放送されます。また、この楽曲はNHK仙台放送局の公式ウェブサイトでも視聴可能です。多くの視聴者に、震災の記憶と復興への歩みを感じ取ってもらえることを期待しています。



