結婚披露宴で「高砂なし」が人気、ソファでリラックスする「脱・定番」の新スタイル
新郎新婦の背後に金びょうぶを飾り、テーブルを豪華な装花で彩り、ゲストよりも一段高い位置に設けられる「高砂」は、結婚披露宴の主役であるカップルが座るひな壇として長く定番でした。しかし、最近の披露宴では、こうした伝統的な高砂を設けず、ゲストと同じ目線のおしゃれなソファやチェアに座るカップルが増えています。祝宴を盛り上げる「ケーキ入刀」や「新婦からの手紙」も趣向を凝らしたものになるなど、披露宴全体が「脱・定番」へと大きく変化しています。
なぜ高砂を設けないスタイルが増えているのか
結婚準備クチコミ情報サイト「Wedding Park」を運営するウエディングパーク(東京都港区)の越貴裕本部長によると、この変化の背景には、新郎新婦の意識の変化があります。かつては新たな門出を祝う厳かな場だった披露宴が、最近ではお世話になった人たちへ「感謝の気持ちを伝えたい」「ゲストをもてなしたい」という意向を反映し、「一緒に楽しむ場」へとシフトしているのです。越さんは「これまでのしきたりにとらわれず、自分たちらしさを生かした結婚披露宴のスタイルがトレンドになっています」と説明します。
高砂は、室町時代から伝わる能の演目「高砂」に由来し、夫婦円満や長寿繁栄を祈る縁起の良い席として親しまれてきました。披露宴会場で参列者と一定の距離を置くことで、新郎新婦の存在感を際立たせ、主役として引き立てる効果があるとされています。しかし、現代のカップルからは「もっとゲストと近い距離でアットホームな雰囲気で過ごしたい」という要望が多く、高砂を設けないスタイルのニーズが高まっているそうです。
高砂なしのスタイルのメリットと具体例
ウエディングパークの越さんは、高砂を設けない場合のスタイルとして、次のような例を挙げています。
- 高砂ソファ:ソファとサイドテーブルのみを設置するスタイル。新婦のドレス姿を全身見せることができ、リラックスした雰囲気を演出します。
- 高砂チェア:新郎新婦それぞれにイスが用意されるスタイル。ゲストとのコミュニケーションが取りやすく、写真映えも良いとされています。
越さんは「テーブルや段差などの物理的な障壁がなくなることで、ゲストが新郎新婦とコミュニケーションをしやすくなり、会話や写真撮影を気軽に楽しめます」とメリットを強調します。また、新郎新婦の前にテーブルを設けないことで、「会場全体の装飾を含めた、おしゃれで抜け感のある写真を撮ることができる」とし、写真映えを意識した空間演出として人気だといいます。
披露宴全体の「脱・定番」化が進む
高砂のない披露宴だけでなく、他の演出も個性的なものへと変化しています。夫婦で初めての共同作業とされる「ケーキ入刀」では、背の高いウェディングケーキの代わりに、特大プリンやハンバーガータワーなど新郎新婦の好みに合わせた食べ物が登場することも増えています。新婦から親への感謝を伝えることが一般的だった手紙の朗読は、新郎も読むパターンや、ゲスト一人ひとりに充てた手紙を用意する演出も見られます。
Wedding Parkには、高砂のない披露宴を体験したカップルから「好きな色や花、デザインをヒアリングしていただき、やりたいことを全て詰め込みました。ハイチェアにしたことも正解でした。タキシード、ドレス映えします!」「ゲストとの距離を近くしたかったので、ソファ高砂を選びました。テーマカラーであるコーラルピンクのタペストリーをDIYしたので装花の打ち合わせの際にあわせて飾りたい旨をお伝えしました」といったコメントが寄せられています。
結婚披露宴といえば、高砂で新郎新婦がじっと座っている姿をイメージしがちですが、今の時代はもっとカジュアルでアットホームな雰囲気が主流になりつつあります。ソファやチェアなら、家族や友人が2人を取り囲んで和気あいあいと楽しめ、晴れ着の2人が写真映えすることは間違いなさそうです。越さんは「自分たちらしさが分からないというカップルは、クチコミなどで先輩カップルの体験談や意思決定の過程を見てみると、ふたりらしさがわかるかもしれません」とアドバイスしています。



