三嶋一輝氏、引退セレモニーで異例の謝罪 難病を乗り越えた13年間の軌跡
プロ野球の横浜DeNAベイスターズで昨シーズンまで13年間プレーした三嶋一輝氏(35)が、3月14日に横浜スタジアムで行われた引退セレモニーで、ファンを驚かせるスピーチを行いました。功績を称える場で、自らを厳しく批判する異例の謝罪が話題を呼んでいます。
開幕投手の大失敗が転機に
セレモニーで三嶋氏は、「先発として球団に期待され、それをしっかり裏切り、本当に迷惑をかけました」と語り、会場をざわつかせました。これは、プロ2年目の2014年に開幕投手に抜擢されたものの、2回を9安打9失点と炎上した大失敗を指しています。後に救援投手に転向し、セットアッパーや抑えとして信頼を集めるまでになりましたが、その記憶は今も鮮明に残っていると明かしました。
直後の取材で、三嶋氏は真意を語りました。「今も鮮明に覚えている。評価されて勘違いして、本気で野球に向き合っていなかった。ある意味、自分の野球人生の転機。そういう経験をしたからこそ、いろんな人の考えとか気持ちとかを理解するようになった」と振り返り、苦しい経験が後の成長につながったと強調しました。
難病「黄色靱帯骨化症」との闘い
三嶋氏は、2022年に胸椎の黄色靱帯骨化症という国指定の難病と診断されました。これは脊椎の靱帯が骨化し、神経を圧迫する病気で、野球続行が危ぶまれました。しかし、新しい術式を受けて復帰を果たし、その手術は「ミシマ手術」と命名されるほど注目されました。
現役時代、彼は「自分がマウンドに立つことで少しでも勇気とかを与えられるかな」と力を振り絞り、苦しい状況でも周囲に悲壮感を感じさせないよう振る舞っていたと、現エースの東克樹氏が証言しています。例えば、最後の1軍登板となった2025年8月22日の巨人戦では、5点をリードされた七回に登板して3点本塁打を浴びましたが、帰り際には「元気ですか? 僕は元気じゃないです」とおどけて雰囲気を和らげようとしたエピソードが残っています。
野球を通じて実感した愛と幸せ
セレモニーの冒頭では、「野球を通して、僕はいろんな人に愛されていると実感できました。本当に幸せでした」と語り、ファンや関係者への感謝の気持ちを伝えました。マウンドで闘志をむき出しにする姿と、気さくで開けっ広げな性格のギャップが魅力だった三嶋氏は、引退後も難病についての啓発活動に取り組む意向を示しています。
「黄色靱帯骨化症はどういうものか伝えていきたいし、僕ができることをやっていきたいと、すごく思っている」と語り、ともに歩む者として希望の星であり続けることを誓いました。13年間のプロ野球人生で、失敗と難病を乗り越え、多くの人に勇気を与えた彼の軌跡は、スポーツファンに深い感動を残しています。



