長濱ねるさん、東京大空襲テーマの朗読劇で海老名香代子さんの体験を力強く演じる
人気アイドルグループ「欅坂46」の元メンバーで、現在は俳優として活躍する長濱ねるさん(27)が、3月11日に東京都千代田区の日本教育会館一ツ橋ホールで行われた朗読劇に出演しました。この公演は、1945年3月10日の東京大空襲で戦災孤児となり、昨年12月に92歳で亡くなったエッセイスト、海老名香代子さんの体験を描いた追善公演「東京の空」です。
被爆3世としての使命感を胸に、約1時間10分の熱演
長濱さんは長崎県出身で、祖母が被爆者であることから、自身を「被爆3世」と位置付けています。公演では、海老名さん役を約1時間10分にわたって情感豊かに演じきりました。特に、空襲でがれきと化した現在の墨田区にある自宅跡に、疎開先から戻った時の様子を、「『お父ちゃん、お母ちゃん』。それまでこらえていた私はせきを切ったように大声で泣きました」という台詞で表現し、観客に深い感動を与えました。
朗読劇は、海老名さんが両親ときょうだい計6人を亡くした体験を後世に伝えようと、演出家の倉本朋幸さんが数年前から企画を進めてきたものです。戦争関連のドラマに出演経験のある長濱さんに白羽の矢が立ち、今回の公演が実現しました。
公演前の会見で語られた思いと、林家三平さんの期待
公演前日の3月10日に行われた会見で、長濱さんは「生半可な気持ちじゃできない。最初は自分にできるか不安があった」と率直な心境を明かしました。しかし、海老名さんの体験に「共感する部分が多かった」と語り、被爆3世としての使命感から「この世代の一人として考えて、次の世代につないでいきたい」と強い決意を示しました。
海老名さんの次男で落語家の2代目林家三平さんも会見に同席し、「母はこの物語に人生を注ぎ込んだ。インフルエンサーのねるさんが語ってくれて届くのは大きい」と、長濱さんの出演に期待と喜びを表しました。
朗読後、海老名さんの言葉を読み上げ、会場に静かな感動が広がる
朗読劇の終盤では、長濱さんが生前に海老名さんが残した言葉を読み上げました。「今もなお、世界のどこかで戦争が起こっています。(戦後)80年たっても、38歳で亡くなった母の年齢をとうに超えても、私は母が、家族が恋しい。2度と戦争が起きないよう、小さい声でも上げていきましょう」というメッセージは、会場に深い静寂をもたらし、拍手がしばらく鳴りやまないほどでした。
この公演は、戦争の記憶を風化させず、平和の尊さを次世代へと継承していくための重要な取り組みとして、多くの注目を集めています。長濱ねるさんの熱演を通じて、海老名香代子さんの体験が新たな命を吹き込まれ、若い世代にも強く訴えかける内容となりました。



