東京都港区新橋の裏通りにたたずむ正統派バー「Frank」のマスター、佐川公賢さん(74)が、ゴールデンウイーク期間中に店内をギャラリーに改装し、初めての水彩画個展を開催する。通常営業は休止するが、来場者の希望に応じて数種類のウイスキーを有償で提供する。入場は無料だ。
二十数点の作品が店内を彩る
個展には、6号から10号ほどのサイズの風景画や人物画など、二十数点が展示される。佐川さんは茨城県北部の高萩市出身で、祖父が都内で絵画と書道の指導者だったという。本格的に水彩画の勉強を始めたのは約14年前のことだ。
「脱サラして店を前オーナーから引き継いだ後、まず店内を改装し、窓や照明を自分でデザインしたステンドグラスに変えました。次に、殺風景な壁に自分の描いた絵を飾りたいと思ったんです」と佐川さんは語る。
水彩画へのこだわりと制作スタイル
佐川さんは、日本の風土に合うのは水彩画だと考え、美しい景観を求めて都内や関東地方を中心に各地へ足を運び、現地でデッサンから彩色までを一貫して行い、数多くの作品を生み出してきた。「最近は絵を描くのが趣味というより、仕事のような感覚になってきて、祖父の遺伝子が私に絵を描けと言っているのだと思います」と笑顔を見せる。
作品は水彩絵の具の濃淡を巧みに使い、色彩は穏やかで素朴、独特な風合いを醸し出している。「『きれいだね』と言われるより、『いい絵だね』と言われるのが一番うれしい」と佐川さんは語る。
バーとしての魅力も健在
「Frank」は正統派のバーでありながら、ワンショット千円からというリーズナブルな価格設定と、豊富なウイスキーの品ぞろえを誇る。気さくなマスターとの会話を楽しめるバーとして常連客に親しまれている。
水彩画展は5月2日から10日までの午後3時から9時まで、港区新橋3-2-3の同店で開催される。この機会に、バーの雰囲気の中で佐川さんの水彩画を堪能してみてはいかがだろうか。



