東京都台東区上野公園の東京都美術館で、現代美術家・中垣克久さん(82)が主宰するグループ「現代造形表現作家フォーラム」による春恒例の新作展が、4月4日から10日まで開催される。中垣さんは数多くの立体アート作品を手がけてきた。今回の展覧会では、絵画や彫刻に加え、書や音楽、身体を使った表現芸術など、ジャンルの枠を超えた多彩な作品が発表される。
中垣克久さんの新作「存在知」
中垣さんの新作は、赤い繭のような形をした全長2メートルの造形で、作品名は「存在知」。木の骨組みに、故郷の岐阜県飛騨地方から取り寄せたわらやむしろを張り巡らせて制作された。「自分のルーツを確かめるような思いで、ふるさとを表現した」と中垣さんは語る。「原点に戻ろう」「自然に帰ろう」との思いも込められている。見る角度によって、落花生の殻、ラグビーボール、動物など、さまざまな見え方が楽しめる。
多様な作家による28作品
日本、中国、韓国などの作家たちが計28作品を展示予定。東京都内在住の漢詩文研究家・白石真子さんは、同フォーラム展に初参加で、書の作品「蓮」を出展する。同じく初参加のアルゼンチン出身の音楽家アグスティン・スピネットさんは、7年間の東京暮らしで耳にした街の音などを編集し、「音の風景」として流す。アーティスト集団「ハウスMの仲間たち」は、歩く姿などで表現する「ウオーキング・アート」を演じる。
中垣さんは、作曲家の故武満徹さんたちがかつて参加した、分野の枠を超えた芸術家グループ「実験工房」に刺激を受けたという。今回の新作展も従来より領域をさらに広げ、「美術からアートへ」と意気込んでいる。
展示概要
展示は都美術館地下3階のギャラリーAで、午前9時半から午後5時半まで(最終日は午後1時半まで)。入場料は500円。高校生以下や、障害者手帳を持参の人と同伴者1人は無料。音やウオーキングのパフォーマンスは日時を限定して披露される。問い合わせは、同展事務局の宮江さん(電話090-5617-4613)まで。



