お茶割りに焼酎蔵元や茶葉生産者が熱視線、「国内で成熟させることに意味がある」
お茶割りに焼酎蔵元や茶葉生産者が熱視線、国内成熟に意味

ハイボールブーム、レモンサワーブームに続く、次に来るお酒のトレンドとして注目されているのが「お茶割り」だ。東急東横線・学芸大学駅から徒歩数分の酒場発で、10種の茶と10種の酒を自由に組み合わせる「100種のお茶割り」を掲げる「茶割」が、開業10年目にして国内茶葉生産者、本格焼酎の蔵元から熱い視線を注がれている。

「お茶であれば何でもあり」の自由度

2016年に「茶割」学芸大学店をオープンし、2019年には目黒店も開業した。当時、お茶割りというカテゴリーはどのような状況だったのか。仕掛け人である株式会社サンメレ代表取締役・多治見智高氏は、「2016年当時、日本中にお茶割りの専門店はまだ一軒もなかった」と振り返る。

専門店の業態を考える際、トマトハイ、梅干しサワー、お茶割りの3つを比較検討したという。トマトはレモンに近い方向にしか広がらない、梅干しサワーも広がりに欠けると判断し、最後に残ったのがお茶割りだった。

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お茶割りを選んだ決め手は「お茶という“素材そのものの自由度”」だと多治見氏は語る。「レモンサワーはレモンと炭酸で結構規定されていますよね。その逆で、お茶割りはお茶と割りなので、お茶であれば何でもありだし、深みと広がりを同時に持たせることができる」と説明する。

ワインのマリアージュを参考にした組み合わせ

現在、茶葉はどのように仕入れているのか。開業当初は近所の茶舗を頼るところから始め、そば茶やルイボスティーといった“茶外茶”も扱っていた。2018~19年頃、メディアの取材を通じて茶産地から声をかけられるようになり、静岡や鹿児島の畑や工場に足を運ぶようになった。

今では「畑も工場も見たことのあるお茶屋さんからしか買わない」という基準を設け、全国20~30軒ほどの生産者から仕入れている。一マスごとに生産者名を添え、社員にも日本茶検定の受講を勧めるなど、店全体の知識の底上げを図っている。

お酒の選定については、「蔵元まで足を運んで確かめられる本格焼酎を優先する方向へ舵を切りつつある」という。組み合わせのセオリーはワインのマリアージュを参考にしている。同色のマリアージュとして「ほうじ茶×ウイスキー」、「紅茶×ラム」を組み合わせるようなかたちだ。

両業界からの追い風と今後の展望

レモンサワー以降、メガヒットと呼べるアルコールカテゴリーが生まれていないこともあって、大手酒類メーカーの間でもお茶割りへの関心が高まっていると多治見氏は感じている。宝焼酎やサントリーをはじめ、RTDにおけるお茶割りのバリエーションが広がってきたという。

今年3月には、鹿児島県内の焼酎蔵の杜氏や醸造責任者が集まる「鹿児島県本格焼酎技術研究会」でセミナー講師を務める機会があった。「次はお茶割りかもしれないと本格焼酎の側が思ってくれている」と手応えを語る。

仕入れで日本茶の生産者、本格焼酎の蔵元、両方と取引がある立場から、「どちらの業界も盛り上がりを見せている」と指摘。抹茶をはじめとしたブームがあり、焼酎も香り系芋焼酎のような新しいテイストの商品が増えているという。「どちらも日本由来のものなので、日本で成熟せずしてどこで広がるのか、とすら思います。いま国内でこのカテゴリーを成熟させることにこそ、意味があると考えています」と強調する。

今後の展開について、「本格焼酎と日本茶を掛け合わせるという方向に可能性を感じています。こんな業種は日本にしかないですし、日本茶自体、世界中で日本にしかない。それを混ぜた飲み物は、日本でしか生まれ得ないと思っています」と語った。

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