夏の台所。五徳に網を置き、意を決し、ガスコンロの火をつけ、換気扇をオン。網が温まってから、ナスを注意深く並べる。中~強火をキープし、そのつややかに光る漆黒の胴体を箸で辛抱強く転がす。
汗だくの調理風景
と、額に汗がにじみ始め、滝のように首へとしたたり落ちる。おや、両目にも。瞬く間に全身が汗でぐっしょりだ。気づけば網の下やコンロ脇も、ナスの汁や焦げた皮で汚れている。諸々の「後処理」を覚悟しつつ、炎の前に立ち続ける。
家中にナスの香りが広がった頃、ナスの皮は焦げ、その黒い胴がしぼむ。箸でつまんでぐにゃりとゆがめば、火を止める。すぐさまナスを平皿へ移し、やけどを覚悟で、熱々の皮をむく。家族全員分、辛抱強く、丁寧に。(氷水の中で皮を剝ぐ方法もあるが、うまみ優先の私は採用しない)
愛情を込めた仕上げ
ナスの粗熱をとり、涼しげな器に盛りつけ、冷蔵庫で冷やしておく。この間に五徳とコンロについた汚れをガシガシ、きれいに落とす。
数時間後。冷蔵庫からキンキンに冷えた焼きナスを丁重に取り出す。品よく横たわるナスの腹に、すり下ろしたてのショウガを乗せ、好みの醬油をサッとかけていただく。「…っ!!焼きナス、最高!!」
『料理は愛情』。直火で焼きナスをつくるなら、まさにこの言葉が当てはまる。



