湘南で23年間営業を続けるかき氷店「埜庵」は、真冬でも行列ができる名店として知られる。しかし、その人気の裏には、行列ができるほど儲からないという矛盾があった。
オペレーションの問題?
店主の石附さんは、かき氷屋の行列についてこう語る。「かき氷屋に関しては、実は行列ってすぐにできるものなんです」。暑い季節になれば涼を求めて客が集まり、かき氷機が1台であれば、家族連れなどで簡単に行列ができるという。
石附さんは続ける。「普通の飲食店に行列ができるのは、大変な努力の末のことだと思いますが、かき氷屋に関しては、行列は人気のバロメーターでもない。大半はお店のオペレーションで変わってくる。行列ができて得意になっていた時期もありましたが、今思えば、自分自身がちゃんと回す力がなかったから行列していたという方が、正しいと思います」。
7時間待ちのピーク
店は徐々に客数が増え、テレビや雑誌の取材も相次ぐようになった。夏には長蛇の列ができ、整理券制を導入した2011年には、ピーク時に7時間待ちを記録。11時オープンなのに10時から整理券を配り始め、11時には200組500名あまりの整理券を配り終え、最後の客が食べ終わるのは18時すぎだったという。しかし、行列ができることが必ずしも喜ばしいことではなく、営業時間中は「本日終了です」と頭を下げ続ける日々が続いた。
店では、愛知県西尾市の葵製茶をかき氷用に特別ブレンドしたオリジナル抹茶に練乳をたっぷりかけた抹茶かき氷が名物で、練乳は別の器で提供される。フルーツのかき氷と並ぶ、埜庵の代表的なメニューだ。



