香取慎吾、東野圭吾さんから託された言葉明かす WOWOWドラマ「虚ろな十字架」完成報告会
香取慎吾、東野圭吾さんから託された言葉明かす WOWOW「虚ろな十字架」

WOWOW『連続ドラマW 東野圭吾「虚ろな十字架」』(毎週日曜22:00~ ※第1話無料)の完成報告会が8月31日、都内で行われ、主演の香取慎吾が、7月23日に逝去した原作者・東野圭吾さんから託されていた言葉を明かした。

香取慎吾、台本から感じた以上の重さに直面

同作は、東野さんが2014年に発表した同名小説を初めて映像化する社会派サスペンス。11年前に起きたある事件をきっかけに妻と離婚し、孤独と虚しさを抱えて生きる中原道正(香取)と、義父が女性を殺害したことで「加害者家族」となった仁科史也(赤楚)を軸に、「死刑制度」や「償い」の意味を問いかける。

香取にとって、WOWOW連続ドラマ、東野作品ともに初主演。出演オファーを受けた際、東野さんから「香取さんが演じることによって、もしかしたらこの中原という人物の陽の部分も垣間見えるような、そういう主人公になったらいいな」と期待を寄せられていたという。

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その言葉を聞いた香取は「とってもうれしくて」と振り返る一方、実際の撮影では、台本から感じた以上の重さに直面した。

「台本を読ませてもらって、もうその重く苦しくのしかかるものがたくさんあったんです。そこに、そうとはいえドラマであって、エンターテインメントの部分もあるという思いで撮影現場に行ったら、やっぱり台本以上の現場でのリアルというか、その重さに、毎日やられないように背筋を伸ばして、そこに立ち向かっていかないといけない。毎日ほんとに踏ん張っていた感じです」

それでも、撮影中は東野さんから寄せられた言葉を胸に役へ向き合った。「東野さんの喜んでくれるような作品に、自分も頑張れたと思っています。1人でも多くの方に、たくさんの方にこの作品を見てくれたらうれしい」と呼びかけた。

赤楚衛二「学生時代の自分からしたら信じられない」

赤楚衛二も学生時代から東野作品を読んできた一人。「まさか東野さんの作品に出させていただけるということも、当時の自分からしたら信じられないようなうれしいことでした」といい、「お会いすることは叶わなかったのですが、こうやって東野さんに携わることができて、本当によかったな、ありがたいな、感謝だなと思います」と思いを語った。

蓮佛美沙子も、学生時代から東野作品を読み、その映像化作品を見て育ってきたという。「今回初めて先生の作品に参加できてすごくうれしかった」としながら、「その先生に見ていただけなかったことがすごく心残りというか、残念」と吐露。制作陣と東野さんが撮影直前まで脚本を練り上げていたことにも触れ、「先生の思いというのが作品に生きたらいいな」と願った。

原作を常にそばに置いて役作りをしたという鈴木杏も「改めて東野圭吾先生の作品の奥行きだったり、伝えているメッセージだったり、とても感動しました」と振り返り、今後も東野作品がさまざまな形で映像化されていくことを願った。

「わからないからこそ、ずっと考え続ける」

本作が描くのは、被害者と加害者、その家族が背負い続けるものだ。

瀬々敬久監督は「加害者と被害者、それぞれの家族の問題を描いたドラマ」であり、「死刑制度という制度のあり方を含めて考えていたドラマ」と説明。「答えのなかなか見つからないところに挑戦していったドラマです」と語った。

一方で、重いテーマだけに終始するのではなく、「ミステリーとしてもエンターテインメントとしても成立するように考えて作っていきました」と強調した。

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鈴木も撮影を通じ、「今の時代って、すぐ白なのか黒なのか、善なのか悪なのか、すごく早くみんな決めたがる時代なんじゃないかなと思うんです。でも、それって逆に危ういことだよねっていうのを今回ずっと撮影しながら感じていた」と話す。

そして、「わからないことを、わからないけれど、わからないからこそずっと考え続けることが大事だ」と作品から受け取った思いを明かした。

蓮佛も「被害者として、加害者として、何をもってして償ったと言えるのか。10人いたら10通りの答えがあるような。もっと言うと、答えなんてもしかしたらないかもしれないことに、真っ向から臨んだすごく真摯(しんし)なドラマ」と表現。「一緒に観た人と、『どう思った?』という会話がしたくなるドラマになっていると思う」と語った。

そして香取は、ニュースで報じられる事件の「その先」に思いを巡らせる。

「ニュースで扱われる事件って、ほんの10秒流れて終わってしまう事件もあったりする。でも、その10秒の先には、その事件によって人生を壊されてしまう人がたくさんいると思うんです。1回壊れてしまったところから立ち上がろうと、前を向いて生きてる方もたくさんいる」

一方で、「あくまでもドラマなので、エンターテインメントとして、ミステリーを楽しんでもらいたい部分もあります」とも。自身が第1話を見た際には、「本当に息をするのを忘れるくらいに追い詰められて、ストーリーと同じように、自分も息をするのを忘れてしまっていた」といい、「ぜひ皆さんにも『息をするのを忘れないようにしてください』とお伝えしたいです」とメッセージを送った。