未知の世界だった中国の鉄道、1980年代の記憶 旧満州の超特急やシルクロードの列車
未知の世界だった中国の鉄道、1980年代の記憶 旧満州の超特急やシルクロードの列車

鉄道写真家の南正時氏が、1980年代に初めて訪れた中国の鉄道について振り返る。戦後生まれの筆者にとって、中国東北部は戦争の影が色濃く残る場所だった。父が兵士として大陸に派兵された際に撮影した旧満州の写真を子どもの頃に見ており、その中には鉄道の写真も含まれていた。

旧満州の鉄道への憧れ

戦後間もない時期には、大陸からの引き揚げ者も多くいた。そんな記憶から、中国には「近くて遠い」という複雑な感慨と、広大な大地を走る鉄道への憧れが交錯していた。その象徴が東北部であり、大連や長春、瀋陽といった都市だった。

長春を走る路面電車は、かつての名古屋市電によく似ていたという。大連は満鉄(南満州鉄道)の起点だった都市で、大連駅は戦前に上野駅を模して設計されたとされる。駅舎は現在も使用されているが、当時も戦前と変わらぬ姿で、路面電車も戦前の車両が走っていた。クリーム色と緑の塗り分けに赤い帯を巻いた姿は、かつての名古屋の路面電車そっくりで郷愁を誘った。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

「あじあ号」の機関車との出会い

初めて中国東北部を訪問した時の驚きは、かつて満鉄が誇った超特急列車「あじあ号」の牽引機関車だった「パシナ型」との出会いだった。蘇家屯機関区に置かれていた旧満鉄の「パシナ型」を目にした時の衝撃は大きかった。

この記事では、中国を代表する蒸気機関車だった「前進型」や、大連を走っていた流線形の路面電車など、当時の貴重な写真とともに、未知の世界だった中国の鉄道の記憶を綴る。次ページでは、関係者の熱意による「復活」のエピソードが続く。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ