関西文化の行方をテーマに開かれたサントリー文化財団フォーラムで、大阪大名誉教授の橋爪節也氏が、大阪の都市としての性格を「素数」に例えた。素数は1とその数でしか割り切れない数で、他と似たような「割り切れる」都市ではなく、唯一無二の独自性を持つ都市という意味だ。
副首都と素数都市
この「素数」の例えは、副首都の話題の中で示された。大阪を始め、幾つかの都市が副首都に名乗りを上げている中、橋爪氏は「副首都は素数都市といえるのか」と問いかけた。
先月末の京都府知事の記者会見では、副首都について問われた西脇隆俊知事が「すぐに手を挙げるつもりは全くない」と明言し、「(京都を)いまだ首都だと思っている人もいる」と付け加えた。歴史が厚く層をなす町の自負をにじませる発言で、副首都の肩書に頼らない京都は「素数都市」と言える。
大阪の独自性を考える好機
政府の中央省庁で移転が実現したのは、京都の文化庁だけだ。東京一極集中の是正や災害への備えといった副首都の政策目標は良いとしても、大阪が東京の劣化コピーに堕すのなら寂しい。
副首都の議論を、大阪が培った独自の価値を考える好機としたい。食いだおれやお笑いだけではないはずだ。



