イザベル・コイシェ監督の最新作『ムクドリと人生とレモンパスタ』が、2026年11月13日よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、UPLINK吉祥寺ほか全国で公開されることが決定した。あわせてポスタービジュアルと場面写真が公開となっている。
イタリア文学を原作にしたドラマ映画
本作は、イタリアの作家ミケーラ・ムルジャが晩年に遺した短編集『Tre ciotole』を原作としたドラマ映画。複雑で変化の激しい世の中で、私たちに与えられているのは、生きていると感じさせてくれる儚い瞬間だけである。別れは終わりではない、それは、静かに受け入れ、もう一度歩き出すための時間なのだと、死の直前に書かれた物語には痛みと優しさが同じ温度で息づいている。
監督と主演俳優の魅力
監督のイザベル・コイシェは、小さなディティールを重ね合わせ、映画という視覚的言語でそのまなざしを受け継いだ。流れるようなカメラワークと親密なクローズアップは、人生の重大な局面と向き合いながら安らぎを求める女性の姿を、そっとすくい上げる。
主演はイタリア映画界を代表する名優アルバ・ロルヴァケル(マルタ役)とエリオ・ジェルマーノ(アントニオ役)。ロルヴァケルの繊細な表情と沈黙の演技、ジェルマーノの内面の葛藤を掘り下げる存在感が、マルタとアントニオの“静かな別れ”に深い陰影を与える。ローマの午後の光、石畳の質感、夜の静けさ。フィルム用ヴィンテージレンズを通して捉えた街の息遣いが、マルタの心の動きと重なり、そっと画面に滲む。
ポスタービジュアルと場面写真
公開されたポスタービジュアルでは、アルバ・ロルヴァケル演じる主人公のマルタがローマの街を自転車で駆け抜け、本当の自分を取り戻していく場面が用いられている。「くだらないことに心をすり減らさないで。あなたの好きに生きてほしい。あなた自身の人生を。」というコピーが添えられ、作品の核となるテーマを静かに、しかし力強く示している。
あわせて公開された場面写真では、晴れやかな表情で窓の外を見つめるマルタと、その背後で恋人・アントニオが彼女の髪にそっと顔をうずめる対照的な二人の表情が捉えられているほか、ローマの街中を颯爽と自転車で走り抜けるマルタ、そして拾ってきたK-POPスターの等身大パネルと並んで佇むユーモラスでどこか切実な一瞬も収められている。マルタを取り巻く人々や生活の断片が丁寧に切り取られ、これらの存在が彼女にどのような変化をもたらすのか、期待を静かに高める場面写真となっている。
ストーリーと出演者・スタッフ
恋人との些細な口論の末、突然ひとりになった高校教師マルタ。がらんとした部屋で、食べ物の味も、光の色も、世界の輪郭さえも失われていく。そんな彼女が始めたのは──三つのボウルに食材を丁寧に盛り付ける、奇妙で静かな“儀式”。K-POPスターの等身大パネルとの対話、キッチンの光に気づく瞬間、ローマの街を自転車で駆ける時間。小さな行為の積み重ねが、やがて彼女を再び世界へとつなぎ直していく。
出演者は、マルタ役にアルバ・ロルヴァケル、アントニオ役にエリオ・ジェルマーノ、エリサ役にシルヴィア・ダミーコ、シルビア役にガラテア・ベルージ、アゴスティーノ役にフランチェスコ・カリル、ドクター・ベナティ役にサリタ・チョウドリーが名を連ねる。スタッフは監督・脚本をイザベル・コイシェが務め、共同脚本にエンリコ・アウデニーノ、撮影にグイド・ミケロッティ、編集にジョルディ・アザテギ、音楽にアルフォンソ・デ・ヴィラジョンガが携わっている。



