古墳時代の猫の足跡が重要文化財に!癒やしの肉球が語る歴史
古墳時代の猫の足跡が重要文化財に!癒やしの肉球

2007年に兵庫県姫路市の見野古墳群から発見された出土品が、市の重要有形文化財に指定された。中でも話題を集めているのが、猫のものとみられる足跡がくっきりと残った須恵器だ。四つの肉球が扇形に並んだ跡は、爪を引っ込めて歩く猫の特徴を示しており、タヌキやアナグマの可能性も検討されたが、猫の足跡と判断された。

古墳時代後期の須恵器に残された猫の足跡

この須恵器は「坏身(つきみ)」と呼ばれる容器で、古墳時代後期(6世紀後半から7世紀中頃)の古墳群から出土した。日用品や祭祀具、副葬品として使われていたとされる。須恵器の製作技術は5世紀に朝鮮半島から伝わった。生乾きの状態で窯に入れる直前に猫が歩いたため、足跡が残ったと推測される。漫画家でコラムニストの辛酸なめ子氏は「『あーっ』という職人の叫びが聞こえてきそうです」とコメントしている。

猫の歴史と日本最古の猫の記録

猫が日本の史料に初めて登場するのは、平安初期の日本最古の仏教説話集『日本霊異記』とされる。亡くなって地獄に落ちた父が猫の姿になって家を訪れ、しばらく飼われていたという説話で、当時から猫は超常的な存在とみなされていた。今回の須恵器は、それよりもさらに古い時代に猫が人間の生活圏にいたことを示す貴重な証拠だ。辛酸氏は「中国大陸や朝鮮半島から渡来人の船に乗ってやってきたのでしょうか」と推測する。

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猫の足跡が残された理由と文化的意義

もし猫が疎ましがられていたら、足跡がついた土器は作り直しになったはずだが、そのまま残されたということは、当時の人々が猫に対して好意的だった可能性を示す。辛酸氏は「古墳に埋葬された人が猫好きで、足跡つきの器でも喜んでくれるだろうという認識だったのかもしれません」と述べる。また、猫には魔よけの力があるとされていたため、足跡にも死者を守るパワーがあると考えられていた可能性がある。

現代の猫ブームと「早く帰ろうミーム」

現代でも猫への愛情は変わらず、SNSでは「早く帰ろうミーム」が話題になった。ある猫の飼い主が、京都御苑の美しい風景の空に愛猫の写真を重ねて「いま京都御苑来てるんだけど旅先でも常にこれ 早く帰ろう」と投稿したところ、多くの共感を集めた。自然の景色や豪華な料理、イベント会場などに浮かぶペットの写真が続々と投稿され、留守番しているペットを思う気持ちが表現されている。辛酸氏は「ペットのほうはのんびり寝ているのかもしれませんが…」と苦笑する。

猫文時代と名付けたい癒やしの遺物

この足跡の主はどんな猫だったのか。辛酸氏は「いたずら好きの茶トラか、日本に古くからいる和猫のキジシロか…想像するだけでもかわいさが募る癒やし系土器です」と語る。もし他の土地からも足跡つきの土器が出土すれば、「縄文時代ならぬ猫文時代と名付けてほしい」と締めくくった。

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