福島・相馬市の若宮八幡宮本殿、建立年代が室町時代後期と判明 県内最古級の神社建築
若宮八幡宮本殿が室町時代後期と判明 県内最古級

室町時代後期の建立が確定 福島・相馬市の若宮八幡宮本殿

福島県相馬市の涼ケ岡八幡神社は3日、境内にある国指定重要文化財の摂社・若宮八幡宮本殿の建立年代が、室町時代後期の1521年から1550年ごろであることが判明したと正式に発表しました。この発見は、当初の想定よりも少なくとも150年ほど古いもので、ご神体を祭る本殿の建築物として県内最古級とみられる貴重な事例となりました。

解体調査で明らかになった歴史的真実

若宮八幡宮はこれまで、江戸時代中期の1695年に新築されたと考えられていました。しかし、耐震・保存修理事業に伴う詳細な解体調査が実施された結果、建立年代の真実が浮かび上がってきたのです。文化庁への現状変更許可申請が3月26日付で承認され、この歴史的発見が正式に確定しました。

本殿の建築物としては従来、1594年ごろに建立された棚倉町の国指定重要文化財・都々古別神社(通称・馬場都々古別神社)本殿が県内最古とされてきました。今回の調査結果は、この定説を大きく塗り替えるものとなりました。

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科学的調査と古文書分析による裏付け

耐震・保存修理事業を手がける公益財団法人文化財建造物保存技術協会(東京都)の百瀬弘一さん(34)によると、1695年は実際には既存の小屋組(骨組み)を解体せずに移設した時期であり、現在地で改築が行われたことが判明しました。

調査では1631年に新調された小屋材が発見され、市有形文化財の「奥相志」や涼ケ岡八幡神社所蔵の「八幡宮棟札写」などの古文書調査からも、同年の大規模工事以前に1573年から1623年の間に屋根のふき替えを中心とした計4回の小規模工事が確認されました。一般的にふき替え工事は20年ごとに行われることから、建立年代の下限を1550年ごろと推定することができました。

さらに、建立当初のものと思われる丸柱2本の放射性炭素年代測定を実施した結果、15世紀末から16世紀初頭に伐採された柱材であることが明らかになりました。この結果は、若宮八幡宮本殿が相馬家第14代当主の相馬顕胤公によって大永年間(1521~28年)に再興したという「奥相志」の記述と矛盾しないことを裏付けるものとなりました。

中世神社建築の貴重な遺構

百瀬さんは「若宮八幡宮本殿は中世の典型的な神社本殿の特徴をしっかりと持っています。建物の質も非常に高く、当時の神社本殿の建築技術や様式を理解する上で極めて重要な発見です」と評価しています。東北地方の本殿建築としても最古級に位置づけられる貴重な文化財であることが確認されました。

同神社は度重なる地震の影響で社殿倒壊の危険にさらされてきましたが、5カ年計画の耐震・保存修理事業が進められており、来年9月に完了する見込みです。遠藤盛男宮司(82)は「定説を覆すような発見に正直驚いています。このかけがえのない文化遺産を確実に後世に残していきたいと考えています」と語りました。

若宮八幡宮の歴史的価値

若宮八幡宮は平安時代初期の大同年間(806~810年)に創建され、本社の涼ケ岡八幡神社よりも古い歴史を持っています。建築様式は正面の柱が4本、柱間の間口が3間ある「三間社流造」と呼ばれる形式です。

仁徳天皇、武内宿祢、高良玉垂命の三神を祭っており、それぞれのご神体を納めた本殿内陣に安置されている3基の「宮殿」も国重要文化財に指定されています。修理を重ねながらも当時の建築部材が良好な状態で残されており、室町時代の建築技術や様式を知る上で貴重な資料となっています。

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