江戸幕府と佐賀藩の海軍の歴史的役割を探るシンポジウムが佐賀大学で開催
江戸幕府と佐賀藩の海軍が果たした歴史的役割について学ぶシンポジウムが、3月14日に佐賀市の佐賀大学本庄キャンパスで開催されました。このイベントには約50人の参加者が集まり、研究者たちの講演に熱心に耳を傾けました。
地域学シンポジウムの15回目、世界遺産登録10周年を記念
このシンポジウムは、佐賀大学が年1回開催している地域学シンポジウムの15回目の開催となります。今回のテーマは「近代日本海軍のはじまり―佐賀藩と幕府の挑戦―」で、これは佐賀藩海軍の拠点だった三重津海軍所跡を含む「明治日本の産業革命遺産」が2015年に世界文化遺産に登録されてから、昨年で10年を迎えたことを記念して設定されました。
研究者らが講演、幕府と佐賀藩の良好な関係を強調
シンポジウムでは、3人の研究者が講演を行いました。幕府海軍研究の第一人者である金沢裕之・防衛大学校教授は、幕府海軍が存在した13年間で蓄積された人材やノウハウが、明治海軍の基盤となったと指摘しました。金沢教授は「この期間は、明治期における本格的な海軍建設の助走期間として、非常に重要な意義を持っていた」と述べ、幕府海軍の役割を強調しました。
また、佐賀藩海軍の研究に取り組む坂本卓也・佐賀大学地域学歴史文化研究センター講師は、佐賀藩と幕府の海軍が良好な関係にあったことを具体的な事例で説明しました。坂本講師は「佐賀藩が幕府に軍艦を貸与したり、三重津で幕府の蒸気船に搭載するボイラーを製造したりするなど、両者は緊密に協力していた」と語り、その協力関係の深さを解説しました。
さらに、沈没した幕府の軍艦「開陽丸」の水中調査を担当した北海道江差町教育委員会の小峰彩椰学芸員も登壇し、これまでの研究過程や調査結果について詳しく説明しました。小峰学芸員の講演は、歴史的遺物の保存と研究の重要性を参加者に伝えるものとなりました。
シンポジウムの意義と今後の展望
このシンポジウムは、地域の歴史を学び、その価値を再確認する貴重な機会となりました。参加者からは、幕府と佐賀藩の海軍がどのように近代日本の海軍建設に貢献したかについて、新たな理解が得られたとの声が聞かれました。佐賀大学では、今後も地域学を通じて歴史的遺産の研究を推進し、教育や観光に活かしていく方針です。



