二・二六事件の西田税特集展 米子市立山陰歴史館で開催 90年の時を経て青年将校の生涯を振り返る
西田税特集展 米子で開催 二・二六事件から90年 (18.02.2026)

二・二六事件から90年 米子出身の西田税の生涯をたどる特集展

戦前の陸軍青年将校によるクーデター未遂事件「二・二六事件」に関与したとして処刑された米子出身の西田税(1901~1937年)の特集展が、米子市立山陰歴史館で開催されています。事件から90年という節目を迎え、混乱の時代を生きた一人の青年の足跡が、貴重な資料を通じて浮き彫りにされています。

優秀な成績から陸軍へ 激動の時代に翻弄された生涯

西田税は米子で生まれ、米子中学などで極めて優秀な成績を収め、陸軍に任官しました。1925年前後に病気を理由に予備役となった時期は、関東大震災や世界恐慌など社会が混乱し、政情不安が続いていた時代でした。疲弊する社会の中で、政党や財閥への不満が高まる中、西田は天皇中心の国家建設を目指す思想の広まりに関わりました。

その影響を受けた陸軍青年将校らが1936年2月26日、高橋是清・大蔵大臣らを暗殺する二・二六事件を起こします。西田はこの事件に関与したとして、1937年に処刑されました。展示では、卒業証書や恩師へ送った手紙、事件の内容を「昭和維新」として記した資料など、計20点が公開されています。

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13歳の決意と郷里への想い 貴重な資料が語る人間像

特に興味深いのは、陸軍の学校へ進むため故郷を離れる13歳の西田が記した手記です。「草深い片田舎にくすぶって一生を暮らすよりも大志を抱いて去るのは己を尊ぶ心だと思うが、悲哀が伴う」という言葉には、若き日の決意と郷里への複雑な想いが込められています。

また、米子に帰郷した際に議会で会派を結成したことなど、地元での活動も紹介されています。同館の元館長の研究テーマとして集められたこれらの資料は、単なる歴史的事件の一端ではなく、一人の人間の内面に迫る貴重な記録となっています。

事件への関与とその評価 複雑な立場を浮き彫りに

西田税の関与は複雑な側面を持っています。1932年に海軍将校らが起こした五・一五事件では、陸軍の蜂起をやめさせたとして、国家改造を目指した団体から攻撃され重傷を負いました。二・二六事件においても、このタイミングでの蜂起には消極的だったとされています。

山陰歴史館では、事件100年に向けて、処刑後の米子での大衆の受け止め方などについて研究を進めています。中原斉館長は「戦争へと向かう当時の社会的な雰囲気や、その中に米子出身の人物がいたことを知ってほしい」と語っています。

この特集展は入館無料で、午前9時半から午後6時(最終入館は午後5時半)まで開催されており、3月29日まで続きます。火曜日は休館日となっています。激動の昭和初期を生きた一人の青年の生涯を通じて、歴史の重みを感じ取ることができる展示です。

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