相模の大凧まつりへ題字「穂風」書き初め 平和と豊作を願う伝統行事
相模原市で5月4日と5日に開催される伝統行事「相模の大凧まつり」に向けて、大凧の制作が本格的に始動している。市内4地区のうち、勝坂地区では3月1日、市立新磯小学校の体育館で題字書きが行われ、地域の保存会メンバーらが参加した。
「穂風」に込められた願い 世界の平和と豊かな実り
今年の大凧に描かれる題字は「穂風」に決定した。この言葉には、「世界が穏やかで実り豊かな年になるように」という深い願いが込められている。題字の考案者の一人であり、相模原磯部郵便局長の八板俊昭さん(54)は、「様々なことが良い方向に向かい、次の世代の人たちが暮らしやすい世の中になってほしい、という思いを込めました」と語り、地域の未来への希望を表明した。
伝統の技で大凧制作 色鮮やかな「三間凧」が完成へ
題字書きの作業では、勝坂大凧保存会の17人のメンバーが参加。縦横約5.4メートルの大きな和紙に、まず墨汁で「穂風」の2文字を縁取りし、その後、はけを使って赤と緑の染料を色鮮やかに塗り分けた。この作業は「三間凧」と呼ばれる大凧の制作過程の一部であり、地域の伝統技術が息づいている。
江戸時代から続く歴史 市の無形民俗文化財に指定
相模の大凧揚げは、江戸時代後半の1830年代に始まり、明治中期から本格的な行事として定着した。長い歴史を持つこの祭りは、2010年に相模原市の無形民俗文化財に指定され、地域の貴重な文化遺産として保護されている。毎年多くの観光客を集め、地域の活性化にも貢献している。
今回の題字書きは、祭りの成功に向けた重要な一歩であり、地域住民の結束と伝承への熱意を感じさせる。5月の本番では、色とりどりの大凧が空に舞い上がり、平和と豊作への願いが広がることが期待されている。



