浪江町の和太鼓チーム「太鼓浪音」が初の単独公演を開催 復興への願いを込めて
福島県浪江町を拠点とする和太鼓チーム「太鼓浪音(なみおと)」は、結成から約2年半を経て、初めての単独公演を開催します。公演は2月28日午後3時から、町地域スポーツセンターで行われ、町の新たな文化として根を張ってきたチームの成長を披露します。メンバーたちは「世代を超えて響き合う浪江の太鼓の音を届けたい」と、本番に向けて熱心に練習を重ねています。
プロ奏者夫妻の移住がきっかけで結成
太鼓浪音は2023年10月に結成されました。そのきっかけは、2021年秋に町へ移住したプロ和太鼓奏者の葛西啓之さん(39歳)と優香さん(39歳)夫妻の存在です。東京電力福島第1原発事故による全町避難を経て、町内には子どもが習い事をできる環境がほとんどありませんでした。この状況を憂いた啓之さんが、数カ月間にわたって太鼓教室を開催したところ、子どもだけでなく大人からも大きな人気を集めました。
啓之さんの目には、元々の町民や移住者たちが太鼓を通して交流する姿がほほ笑ましく映りました。「太鼓が浪江での生活を楽しむ一つの要素になればいい」と考えたのです。東日本大震災前から浪江には太鼓団体がなかったこともあり、「町を代表する新たな観光コンテンツをつくろう」と、有志約10人から活動を始めました。
多様なメンバーが参加 地域の支援も受ける
現在、太鼓浪音には小学生から60代までの約20人が参加しています。メンバーは町民や移住者、双葉署浪江分庁舎の署員、企業の転勤者など、さまざまな立場の人々で構成されています。活動当初は人数分の太鼓が不足していましたが、活動に共感した複数の町内企業が寄付を行い、問題を解決しました。
演奏力も着実に向上し、今では毎週のように出演依頼が舞い込むようになりました。チームは双葉郡のイベントなどでステージに立ち、浪江町の活力を伝える役割を果たしています。
単独公演ではオリジナル曲も披露
初の単独公演では、浪江の復興への願いを込めた「音樹(とき)」など、約10曲を演奏する予定です。特に注目されるのは、なみえ創成小学校1年生の吉田禮人さん(7歳)と小沢悠晴さん(7歳)によるオリジナル曲の披露です。この2人は小学生だけの演奏を担当し、「たくさんの人に太鼓の魅力を知ってもらいたい」と意気込んでいます。
啓之さんは「2年半で単独公演ができるとは思わなかったが、住民のパワーが結実した。今、浪江にある活気や元気な姿を太鼓で伝えたい」と語り、公演への期待を込めています。
チケット情報と問い合わせ先
公演のチケットは1,000円で、小学生以下は無料です。チケットの購入や問い合わせは、太鼓浪音事務局(電話080-5516-3161)までお願いします。この公演は、原発事故からの復興を目指す浪江町の新たな文化として、地域の絆と希望を象徴するイベントとなるでしょう。



