馬の体温で発酵!平安時代の納豆伝承が現代で再現される
平安時代に伝わる納豆の起源伝承を実際に検証する画期的な実験が、茨城県笠間市の体験型牧場「スターホースファーム」で実施されました。馬の背中で一昼夜温められた大豆が、見事に糸を引く納豆へと変化し、関係者から大きな歓声が上がりました。
伝承通りにわら筒を開封!「できてるよ!」の声が響く
実験は2026年2月22日、牧場関係者や納豆メーカー担当者の立ち会いのもとで行われました。前日から馬の背中に載せられていたわら筒が開封されると、中からは糸を引く納豆が現れました。参加者からは「すごい!」「本当にできている!」といった驚きと喜びの声が次々と上がり、牧場内は熱気に包まれました。
源義家にまつわる納豆起源の伝説
納豆の起源については、平安時代の武将・源義家にまつわる説が有名です。1083年に奥州へ出兵した際、わらで包んだ煮豆を馬の背中に積んで運ばせていたところ、わらに付いた菌と馬の体温によって発酵が進み、偶然に納豆が生まれたと伝えられています。この歴史的な逸話が、千年以上の時を経て現代で科学的に検証されることになりました。
牧場代表と納豆メーカーが共同で企画
今回の実験を企画したのは、スターホースファームの野村恭太代表(48歳)と、茨城県日立市の納豆メーカー「菊水食品」の菊池啓司社長(69歳)です。両者は歴史的な伝承を実際に再現することで、納豆の文化的価値と科学的な可能性を探求したいと考えました。
実験初日の2月21日には、蒸した大豆に納豆菌を吹きかける作業が行われました。その後、大豆をわらで丁寧に包み、牧場の馬「リトル」の背中に載せて準備が整えられました。リトルは昼間に牧場周辺を歩いて体温を上げ、夜間は別の馬と交代しながら発酵環境を維持しました。
伝統と科学の融合が生んだ成功
22日朝、再びリトルがわら筒を背負い、開封の瞬間を迎えました。結果は見事な成功で、大豆はしっかりと糸を引く納豆へと変化していました。この実験は、平安時代から伝わる食文化の知恵が、現代の科学的検証によって裏付けられた貴重な事例となりました。
野村代表は「馬の体温を利用した発酵という伝統的な方法が、実際に機能することを確認できて感動しています」と語りました。菊池社長も「歴史的な伝承が現実のものとなった瞬間を共有でき、大変光栄に思います。納豆の可能性を再認識する機会となりました」と実験の意義を強調しました。
この取り組みは、伝統的な食品加工技術の再評価と、地域の食文化を守り伝える活動として注目を集めています。馬の背中で生まれた納豆は、平安時代から現代へと続く食の歴史を体現する貴重な成果と言えるでしょう。



