国指定重要文化財「渡辺邸」の木羽葺屋根修繕に資金難、クラウドファンディングで支援を募る
新潟県関川村下関にある国指定重要文化財「渡辺邸」で、伝統的な木羽葺(こばぶき)屋根の修繕費が高騰し、維持管理を担う公益財団法人・渡辺家保存会が資金調達に苦慮しています。毎年数百万円の費用がかかる中、入館料収入や村の補助金だけでは限界に達し、クラウドファンディング(CF)を通じて寄付を募り始めました。
国内最大規模の木羽葺屋根、劣化が進み雨漏りも発生
築200年以上を誇る渡辺邸の木羽葺屋根は、面積が計約1500平方メートルと国内最大規模を誇ります。厚さ約3ミリの杉板を少しずつずらして並べ、くぎなどの金属を使わずに押さえの石を置いて固定する伝統技法で、杉板は約22万枚、石は約1万5000個が使用されています。保存会の稲家誠事務局長(68)は「木羽葺屋根が一番の売りだ」と胸を張りますが、年月の経過とともに劣化が進み、雨漏りしている箇所もあるのが現状です。
修繕費は年900万円に上昇、収益は赤字で見通し立たず
屋根の修繕は、五つの区画に分けて毎年1区画ずつ、5年周期で実施されています。春から夏にかけて行われる作業ですが、人件費や資材費の高騰により、1回の修繕で約900万円もの費用がかかるとされています。一方、収益の柱となる入館者数は昨年度で8000人余り。2024年9月に入館料を大人800円、小中学生350円に改定しましたが、それでも赤字が続いています。保存会は団体客の誘致やイベント会場としての活用など、新たな収入源を模索していますが、稲家さんは「新年度以降の修理費の確保は見通せていない」と明かします。
クラウドファンディングで寄付を呼びかけ、伝統を後世に残す取り組み
現在、クラウドファンディングでの寄付額は約87万円(21日現在)に留まっています。稲家さんは「伝統ある建物を後世に残すため、支援をしてもらいたい」と強く呼びかけています。寄付は来月15日まで、CFサイト・キャンプファイヤー、渡辺邸への現金持参、口座振り込みで受け付けています。問い合わせは保存会(0254・64・1002)まで。



