文化審議会は22日、現存最古の民家である箱木家住宅主屋(神戸市北区)と2番目に古いとみられる旧古井家住宅(兵庫県姫路市)を、民家として初めて国宝に指定するよう文部科学相に答申した。また、旧吉村順三別邸(長野県軽井沢町)など6件の建造物を重要文化財に新たに指定することも求めた。
国宝となる2棟の民家
重要文化財の民家は全国に362件ある。今回国宝になる見込みの両住宅は、いずれも江戸時代から「千年家」と呼ばれてきた茅葺き屋根の古民家だ。箱木家住宅主屋は、以前は室町時代後期の建築と考えられていたが、部材を放射性炭素年代測定などで詳しく調べたところ、14世紀頃に建てられたことが判明。旧古井家住宅は15世紀に構えられたことが分かった。
箱木家は中世の土豪(地方の小領主)の家で、戦後にダム建設に伴って70メートル南東へ移築された。民家史の最初の現存遺構として貴重で、極めて深い文化史的意義があると評価された。一方、旧古井家は有力農民の名主と伝わる家で、「現在まで同じ場所で維持された点も特筆」と評価された。
戦乱や火災を免れた歴史
両住宅とも戦乱や火災に遭わず、守られてきた。旧古井家には、豊臣秀吉が姫路城を築いた際、「無災の千年家」と聞き、垂木の一部を城の部材に用いたという伝承が残る。
重要文化財の新規指定
旧吉村順三別邸は1962年に完成した木造モダニズム建築の秀作で、住居として最も新しい重文となる。また、松江市美保関の町並みを重要伝統的建造物群保存地区に選定することも求めた。
その他の重要文化財
- 氷川神社本殿(埼玉県川越市)
- 姫埼灯台(新潟県佐渡市)
- 禄剛埼灯台(石川県珠洲市)
- 棲霞園(奈良市)
- 旧服部家住宅(岡山県瀬戸内市)
これらの指定により、日本の文化財保護が一層推進されることが期待される。



