船橋の民話を未来へ 36年間の聞き取り活動が17号目の冊子を発行
千葉県船橋市に伝わる民話を収録した冊子「ふなばし むかしむかし」の第17号がこのほど発行されました。この活動は、1990年に発足した「船橋の民話をきく会」によって36年間継続されており、地域の貴重な口承文化を後世に伝える重要な取り組みとなっています。
高齢者からの聞き取りを文字に 11人の会員が継承
同会の会員は現在、70代から80代の男女11人で構成されています。彼らは、船橋市の宮本公民館で開講された「日本の民話」講座を修了した有志が中心となって結成されました。活動の中心は、地域の高齢者から直接話を聞き、それを録音して文字起こしし、冊子にまとめる作業です。
会員の多くは市外出身者であることから、「船橋のことを知ろうと活動を始めたが、次第に面白さに引き込まれ、長く続けている」と口を揃えます。このように、外部からの視点が新鮮な発見をもたらし、活動の持続性を支えているのです。
B5判52ページの民話集 漁師の浜着「ドンザ」など収録
発行された第17号はB5判、52ページの構成で、ほぼ2年に1回のペースで製作されています。今回の内容には、漁師が着用した浜着「ドンザ」と関連する「ドンザ凧」の話に加え、「特集 船橋と私」として会員自身の思い出や体験談も掲載されました。
荒石かつえ会長は「話を聞いていると、今ではすでに消えてしまった古い風景が目の前に浮かんでくるようだ」と語り、聞き取り活動が単なる記録ではなく、失われた時間と空間をよみがえらせる営みであることを強調しました。
地域文化の継承と新たな学びの場を提供
同会は、民話集の発行だけでなく、地域文化の継承にも力を入れています。4月以降には「遠野物語を読む」などの講座を開講予定で、会員や市民がさらに深く民話や伝承について学ぶ機会を提供します。
冊子の購入希望(1冊300円)や問い合わせは、会の須藤さん(qhbfn171@ybb.ne.jp)まで受け付けています。この取り組みは、地域の記憶を丁寧に拾い集め、次の世代へと手渡す貴重な文化活動として、今後も継続される見込みです。



