母の言葉「運のいい子」が支えた人生の軌跡
物心がついた頃から、私は母から繰り返し「あなたは運のいい子だから」と言われて育ちました。その言葉の背景には、私の人生を彩る数々の奇跡的な出来事がありました。母の温かい励ましは、困難に直面するたびに私の心の支えとなり、77年の歳月を紡いできたのです。
生まれる前からの奇跡
最初のエピソードは、私が生まれる前のことです。母が病院で診察を受けた際、医師から「この子は心臓が止まっている。おろしなさい」と告げられました。しかし、父は「最初の子だから」と決意し、母を背負って別の病院へ向かいました。すると、驚くべきことに、止まっていた心臓が再び動き始めたのです。この出来事は、私の人生の始まりを象徴する奇跡として、家族の記憶に深く刻まれています。
幼少期の危険な体験
次に、よちよち歩きの頃の話です。当時、両親は大通りに面した飲食店を営んでおり、目を離したすきに、私は道路に迷い出てしまいました。目の前で車にひかれた瞬間、家族は絶望的な気持ちに襲われたそうです。しかし、奇跡は再び起こりました。止まった車の下から、私は無傷で見つかったのです。この体験は、私の運の強さを物語るエピソードとして、今でも鮮明に思い出されます。
成人後のさらなる試練
3回目は、成人した頃の出来事です。夜の横断歩道で、私は足の甲を車にひかれてしまいました。医師の診断では、「少しでも、どちらかにずれていたら歩けなくなっていた。運がいい人だ」と言われました。この言葉をきっかけに、私は自分自身が運のいい人間だと実感するようになりました。その後も、肺病による長期入院や様々な災難に遭遇しましたが、いずれも大事には至らず、無事に乗り越えることができたのです。
困難を乗り越える母の言葉
これほど多くの災難に遭いながら、どこが運のいい子なのかと疑問に思った時期もありました。しかし、困難に直面する度に、母の「運のいい子」という言葉が私を励まし続けてくれました。その言葉は、単なる慰めではなく、私の人生に希望と勇気を与える力強いメッセージとして、心に響き続けています。今では、これらの体験が私の人生を豊かにし、家族の絆を深める糧となったと感じています。
虫鹿敏克(77) 千葉県柏市



