愛知県が常滑市に全国初の「見せる収蔵庫」整備へ、3美術施設の共同利用で文化資産を守る
愛知県が常滑市に「見せる収蔵庫」整備、全国初の共同利用

愛知県が常滑市に全国初の共同収蔵庫を整備、文化資産の保存と活用を両立

愛知県は、県内の美術施設が直面する収蔵庫の容量不足を解消するため、常滑市に大規模な共同収蔵庫を整備する計画を進めています。県によると、複数の美術施設が共同で利用する収蔵庫は全国で初めての取り組みであり、劣悪な環境での保管が問題となる中、持続可能な体制を構築することを目指しています。

3施設の収蔵品を共同管理、収蔵率9割超の課題に対応

新たな収蔵庫では、愛知県美術館(名古屋市東区)、愛知県陶磁美術館(瀬戸市)、愛知県立芸術大学(長久手市)の所蔵品を一括して管理します。これらの施設では、収蔵率が9割を超えており、今後も作品の収集や保存が困難になる恐れがあることから、県は収蔵能力の拡充が不可欠と判断しました。

整備場所は、旧県立常滑高校の跡地を活用し、延べ面積は約8,000平方メートルを予定しています。民間事業者が施設を建設し、管理運営を担当する予定です。2026年度の当初予算案には約1億1,000万円を計上し、事業者を決定した後、2027年度から2030年度にかけて設計と建設を進めます。完成は2030年度を目標としており、供用開始当初は3施設から絵画、彫刻、陶磁器、工芸品など合計9,450作品を移す計画です。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

「見せる収蔵庫」機能で美術品の価値を広く発信

新施設は、管理効率化とコレクション活用を図る「見せる収蔵庫」の機能も備えます。これは欧米の主要美術館でも導入されている仕組みで、収蔵品を一般に公開しながら保管することを可能にします。愛知県文化芸術課の担当者は、「美術品の価値や美術館の活動への理解を深めてもらえれば」と期待を寄せています。

東京藝術大学の太下義之客員教授(文化政策)は、この計画について次のように評価しています。「収蔵庫不足は、長年放置されてきた構造的課題です。県の計画は『見せる収蔵庫』で収蔵と公開を両立させ、複数館や将来のコレクション受け入れを想定しており、文化資産を守り活用する先進的な取り組みだと言えます。」

この取り組みは、美術品の適切な保存とともに、地域の文化振興にも貢献することが期待されています。愛知県は、持続可能な文化資産管理のモデルケースとして、全国に先駆けた事業を推進していく方針です。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ