MicrosoftはAI PCのブランド名「Copilot+ PC」を製品マーケティングの前面から後退させる方針を示した。Surface部門のコーポレートバイスプレジデントを務めるBrett Ostrum氏が、Snapdragonサミット2026で明らかにした。
「Copilot+ PCとは呼ばれていません」
Windows Centralの記者が、最近のSurface PCにCopilot+ PCのブランド名が付いていない理由を尋ねたところ、Ostrum氏は「これらはCopilot+ PCとは呼ばれていません」と回答した。2026年9月に発表されたSurface Laptop 13インチでも、製品名からブランド名が外されている。
Copilot+ PCは2024年、MicrosoftとQualcommがWindows PCの新カテゴリーとして立ち上げたブランドだ。AIを中心に据えた次世代PCとして、一定のシステム要件を満たす製品に専用のAI機能を提供する構想だった。
「Recall」問題がブランドイメージを毀損
しかし発表直後から、セキュリティ研究者による批判に直面した。目玉機能の「Recall」でクレジットカード情報を含む機密情報の保存・抽出が可能と指摘され、安全性への懸念が示された。MicrosoftはRecallの提供を延期し、Copilot+ PCは目玉機能を欠いた状態で出荷されることになった。
その後もAI PCへの風当たりは強まり、PCメーカー各社はマーケティング資料からCopilot+ PCの名称を削除する流れに。Microsoft自身もブランド名への言及を減らしている。
要件は維持、名称だけが消える
Ostrum氏は新しいSurfaceがCopilot+ PCの要件は満たすものの、その名称では呼ばないと説明。ブランド名は使わないが、要件自体は今後も残るとした。
Qualcommのコンピューティング部門シニアバイスプレジデントのKedar Kondap氏も「Copilot+ PCという用語を使わなくても、同じ体験を提供することになるでしょう」と述べた。
さらにWindows Centralの記者は、NVIDIAの次期RTX SparkプラットフォームがCopilot+ PCの仕様基準を満たしながらブランド名を前面に出していないと指摘。「意図的な決定だと私は推測する」とし、関係各社の間にブランド名を削除する共通認識があるとの見方を示した。
MicrosoftはCopilot+ PCのブランドを正式に廃止すると発表したわけではない。一方で、新Surfaceでは名称を使用しておらず、ブランドとしての露出は今後さらに減少する可能性がある。