【写真多数】心高ぶる熱戦の疾走音が飯田に響いた。国際自動車ロードレースではなく、国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)」の綿半信州飯田ステージが28日、飯田市下久堅で開催された。世界各国から79人の選手が集い、ホームチーム「JCL TEAM UKYO」のトンマーゾ・ダーティ選手(23)=イタリア=が優勝を果たした。
激戦のコースと見事な逆転劇
下久堅小学校を発着点とする周回コースは、アップダウンが激しく、総距離120.9キロ。トンマーゾ選手は最終ラップで、それまで独走していた首位選手に追いつくと、最後までデッドヒートを展開。ゴールまで残り約150メートルで加速し、トップでフィニッシュラインを駆け抜けた。
飯田ステージのトロフィーを手にしたトンマーゾ選手は、24日の堺ステージ(大阪)、25日の京都ステージ(京都)でも優勝しており、好調を維持している。「飯田ステージはとても好きなコース。周回コースは自分のスタイルとコンディションに合っている」と相性の良さを語り、富士山ステージ(山梨)など残る3ステージに向けて「チームとしての連勝に貢献したい」と意気込みを示した。
地元の熱い応援と名物の振る舞い
沿道では、飯田名物の豚、牛、羊の焼き肉が地域内外から訪れた観覧客に振る舞われ、地域住民が選手に声援を送った。自転車レースのファンだという同市高羽町の会社員、鋤柄裕希さん(37)は、前日のAstemo大鹿ステージ(大鹿村)から2日連続で友人と観覧。「風を切る音やペダルを踏む音が素晴らしいし、試合運びの選手の駆け引きは熱い。心を高ぶらせてくる」と魅力を語った。
コースに応援メッセージやイラストを描く児童らの姿も見られた。焼き肉を平らげていた小学4年の大島光喜さん(9)=愛知県春日井市=は「ハラハラドキドキする。順位が変わりそうで、どうなるか気になる」と興奮した様子でレースを見守っていた。
地元出身・山田選手の奮闘
飯田市松尾明出身の山田拓海選手(24)=シマノレーシング=は、79人中31位でゴール。昨年の21位から順位を落としたが、「今日はガンガン攻めて、地元の人に少しでも良い姿を見せられた」と笑顔で振り返った。「飯田ステージは大切なステージ。年々応援の声も増えていて、頑張らないといけないなというプレッシャーも感じる」と語る一方、レース中は落ち着いていたという。下久堅の山岳コースは、同市緑ケ丘中3年のときから走っているなじみのコースで、沿道には見知った顔も多かった。
27日の大鹿ステージを踏まえ、「逃げができると予想してスタートした」と語り、序盤から15人ほどでつくる先頭集団に食らい付いた。しかし、ゴールまで10キロを切った地点で、ペースアップについて行けなくなった。「最後に耐えられず、ドロップした」と唇をかんだ。それでも、同ステージで逃げの展開に持ち込んだのは初めてで「昨年よりも成長を感じる」と前を向いた。TOJは残すところあと3ステージ。「ここから先は1ステージのリザルトを追っていくことになると思う。自分のスプリント力を生かして、良い順位を取りたい」と意気込んだ。



