プロ野球で通算成績「100」を記録する投手が相次いでいる。中日の大野雄大は2日の広島戦(マツダ)で6回無失点の好投を見せ、プロ野球143人目の通算100勝を達成した。一方、巨人の則本昂大は4月2日の中日戦(バンテリン)で7回2失点にまとめたが、援護がなく、プロ野球123人目の通算100敗目を喫した。
100勝より100敗が少ない理由
100勝を達成する投手より、100敗を記録する投手の方が少ないのは興味深い事実だ。NPBの現役投手に限っても、100勝達成者は8人いるのに対し、100敗は5人しかいない。則本のほか、石川雅規(ヤクルト=193敗)、涌井秀章(中日=167敗)、岸孝之(楽天=126敗)、西勇輝(阪神=109敗)といった一時代を築いた名投手が名を連ねる。
もちろん、エースとして勝ち星を積み重ねることは重要だが、100個以上の黒星もまた「勲章」と言える。チームから信頼され、勝敗の責任を背負って投げ続けた証しだからだ。大野は今季、97勝97敗でスタートしたが、勝ちの方を先に大台に乗せた。
過去の投手たちの100敗超え
過去の投手たちの成績を見ると、100勝は達成できなかったが、100敗以上しているケースがいくつもある。阪神の元エース藪恵壹(元楽天)もその一人で、通算成績は84勝106敗だった。1994年から11シーズン在籍し、2年目から6年連続で負け数が2桁に達した。チームは11年のうち実に10シーズンがBクラス。暗黒時代に孤軍奮闘していた姿が目に浮かぶ。
1980年代の南海(現ソフトバンク)で「山内トリオ」の一人だった山内和宏は97勝111敗(うち中日時代に5勝4敗)。2年目の82年から7年連続で2桁敗戦を喫した。ダイエーとなっていた90年途中までホークスに在籍し、チームはすべてBクラスに低迷。それでも3年目の83年に18勝(10敗)を挙げ、東尾修(西武)とともに最多勝のタイトルを獲得するなど、2桁勝利を5度達成。山内トリオのほかの2人、新一(元阪神)、孝徳らと投手陣の屋台骨を支えた。
その他の100敗以上投手
100敗以上、100勝以下の負け越し投手はほかに古沢憲司(元広島=87勝115敗)、加藤伸一(元近鉄=92勝106敗)、福原忍(元阪神=83勝104敗)、吉田豊彦(元楽天=81勝102敗)、上田次朗(元阪神=92勝101敗)らがいる。どの投手も援護がなくとも、マウンドを守るプライドを持って腕を振り続け、ファンに愛された存在だった。
古い記録を探すと、46勝110敗で「64」も負け越した投手がいる。戦後すぐに松竹などに在籍した小林経旺という左投手だ。選手不足という背景もあり、52年に勝てなくても50試合に登板、26完投で12勝27敗。その後も白星に恵まれず、プロ野球唯一の50勝未満で100敗以上となり、ある意味「レジェンド」となった。



